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テンプレート:漫画Dr.スランプ』(ドクタースランプ)は、鳥山明による日本漫画作品。

作品解説

ゲンゴロウ島のペンギン村に住む発明家則巻千兵衛(のりまきせんべえ)博士が作ったロボット則巻アラレのハチャメチャな日常を描いたギャグ漫画

週刊少年ジャンプ』(集英社)にて1980年5・6合併号から1984年39号まで連載。鳥山は今作が連載デビューとなった。第27回(昭和56年度)小学館漫画賞少年少女部門受賞。単行本はジャンプ・コミックスで全18巻。単行本の第5巻は、初版130万部を発行し、『ドラえもん』(巻数は不明)の120万部を上回り(当時の)日本におけるコミック単行本の初版部数を更新[1]。さらに第6巻は初版220万部と、日本のコミック単行本初の初版200万部超となった[1]。後に愛蔵版(1990年 - 1991年)・集英社文庫コミック版(1995年 - 1996年)が全9巻、完全版2006年 - 2007年)が全15巻で発行されている。また、1981年に『Dr.スランプ アラレちゃん』、1997年に『ドクタースランプ』として2度にわたってアニメ化された。

ロボットなのに眼鏡をかけるという設定、擬人化した動物のキャラクターが登場するなど童話的な独特の世界観も人気の要因の一つであった。鳥山の出身が愛知県清洲町(現・清須市)ということもあり、その地域で使われる方言の名古屋弁が作中で多用されている。また、「ほよよ」・「んちゃ」・「キーン」・「バイちゃ」などのアラレ語は流行語にもなった。

当初は作品名にあるように、アラレの生みの親である千兵衛を主人公として毎回発明品で失敗する、という方向性のストーリーであったが、後にアラレを主人公に据えて展開された。後に作者は、本作が短期打ち切りとなった時のことを配慮し、連載開始前から既に担当の鳥嶋和彦と次回作の打ち合わせをしていたことも明かしている。

鳥山本人が大の車好きということもあり、一時期、毎回扉絵に自動車が登場し、アラレが運転しているなどの場面が描かれた。車は欧州車やホンダ車が中心。しかしあまりに描きすぎて、担当の鳥嶋に注意されたこともあるという。大概は鳥嶋の意向を汲んできた鳥山であったが、恋愛漫画を描くのが大の苦手である鳥山は、アラレとオボッチャマンのラブシーンの要求には気が進まなかったという。

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登場人物

Dr.スランプの登場人物」を参照

則巻アラレやその同級生などのペンギン村の面々が主として登場。時折、さまざまな宇宙人などもゲストキャラクターとして姿を見せる。

愛蔵版以降では登場キャラクターの一部が修正されている。黒人差別をなくす会の抗議により、人食い人種のキャラクター(単行本第9巻・新婚旅行の話の導入部など)や大都会島アメリカンハイスクールのサンデーブラザーズやアラレ・あかね・オボッチャマンがやらされたジャングルの奥地の住人の扮装が愛蔵版では修正された。完全版においては、新婚旅行に登場したキャラクターのデザインが元に戻っているが、ナス(表紙)やトマト(本編)を連想し易い配色に変更している。また、連載初期はウルトラマンなどの特撮キャラクターが背景に描かれていたが、愛蔵版以降では無断転載による著作権侵害を回避するため円谷プロダクション関連のキャラクターがオリジナルキャラに描き換えられている。一方、ゴジラの場合は「©東宝」の表記を加え、許諾を得たことで改変が回避されている。なお、文庫版は愛蔵版と同一の版を使用して印刷されているため、修正箇所なども愛蔵版と文庫版は同一である。

舞台設定

ペンギン村の月名
1月 ハコフグ
2月 ニジマス
3月 ホヤガイ
4月 ヘラブナ
5月 トビウオ
6月 イソギンチャク
7月 ロボソ(クチボソ[2]
8月 ハリセンボン
9月 ザリガニ
10月 ペンケイガニ[3]
11月 プランクトン
12月 シーラカンス

本作の主な話の舞台は、ゲンゴロウ島にあるペンギン村」。作中では何度もド田舎であることが強調されており、風景は山々や地平線ばかりがのぞき、民家もまばらにしか存在しない。生徒が少ないため、学校は一クラスのみであり、入学試験などもない。作中の設定は日本国内となっており、ゲンゴロウ島は日本列島近海(気候からして太平洋側)にある島とされている[4]。モチーフはアメリカ西海岸(鳥山のコメントによる)。

住民の気質は総じてのんきで大らかであり、細かいことは気にしない人々ばかりである。そのため村は平和でのんびりとしてるようにも思われるが、「アホしかいないだけに、犯罪件数も決して少なくは無い」と、治安の悪さを物語るエピソードが存在する。作中でも身代金目的の誘拐や、銀行強盗などの凶悪犯罪が何件か発生していた。一方、過剰な取り締まりが原因で村民全員が逮捕される事態に至ったこともある。

ゲンゴロウ島にはペンギン村の西北西にドラゴン町(まち)がある。またそれ以外にもあげは町、モンシロ町、カナリア村があり、他にも2村存在する。ペンギン村の南部にある海峡を隔てた離島にはカモシカ村がある。

本作では、作中の日付の月の部分は通常の「XX月」の代わりに、魚などの水棲生物の名前を使用している。小説『Dr.スランプ(映画編)』によると各月との対応は表の通りである。これらの頭文字を繋げると「ハニホヘトイロハザペプシ」となり、ペンギン村の小学園で真っ先に教えられることとされる。なお年については、連載時の現実の世界にあわせた西暦が使用されている。

則巻千兵衛の主な発明品

作中には千兵衛による発明品が数多く登場している。ここではそのうち、原作に登場したものを挙げる。アニメ版ではこの他にもオリジナルの発明品が登場する。

アンドロイド(アラレ)
Dr.スランプの登場人物の「則巻 アラレ」を参照。また、千兵衛は10年後にアラレとオボッチャマンの子供となるアンドロイドを造っている。人造人間の定義ではアンドロイドだが、アニメ第1作目のエンディングの歌詞では「ロボット」となっている。
非生命体透過メガネ
衣服や地面、建造物、ロボットなど、生物(動物・植物)以外のものがすべて見えなくなるメガネ。千兵衛がアラレに欠けている体の部位をせがまれたことを口実に、女性の裸を見る目的で製作した。みどりの裸を正面から見ようとした際、乗っているスクーターが見えずに轢かれて壊れた。その後新しく作り直したのか、鶴天と2人で村中の女の子を透視して楽しんだが、今度は周囲が見えないまま女湯に侵入して逮捕された。
みらいカメラ
ダイヤルで指定した年数分の未来の姿を写すことができるカメラ。千兵衛は自分が将来禿げるのを知られたくなかったため、このカメラを隠しておいた。
警察犬ロボット
行方不明となったアラレを急遽探すために作られた。匂いで目標を追跡する。実際の犬に忠実に作りすぎたためマーキング(小便)や喧嘩などをしてしまう。
デカチビ光線銃
対象物を100倍の大きさにしたり、100分の1の大きさにすることができる。アラレ達に悪戯されるのを防ぐため、後に1時間の制限がつく。
タイムスリッパー
タイムくんの声 - 第1作・千葉繁/第2作・風間信彦
置き時計に口と、手袋をはめた両腕・靴を履いた足(靴を脱ぐと5本指の素足が存在)の付いた姿をした「タイムくん」と「ツンツル板」から構成されたタイムマシン。タイム君とツンツル板を接続してダイヤルで年数を指定後、タイムくんの頭上のレバーを操作し(過去に行く場合はレバーを押し、逆に未来に行く場合はレバーを引く)、タイムくんがツンツル板の上で「タ〜イムスリップ!」の掛け声と共にダッシュしながら身体と両足の靴を仰向けに折り曲げながらスリップすることによりタイムスリップができる。ツンツル板がなくてもツルツルしたもの(例:ピースケの刈られた頭)があればタイムスリップは可能。作中で千兵衛が「1年単位でしかタイムスリップできない」と語っているが、何度か日もしくは時間単位で移動している。また誤って「タ〜イムストップ!」と叫びながらスリップし、時間を止めたこともある。
連載初期およびアニメ版第1作では、タイムくんはアラレを除く千兵衛の発明品の中でよく顔を見せている。性格は生みの親である千兵衛を呼び捨てする生意気な面がある。
後にターボがより高性能な昆虫型タイムマシンを製作しており、オボッチャマンとガスマスクロボ姿の作者がそれぞれ10年後の未来に旅立つ。
エンヤコーラ号
空を飛びたいとせがむアラレに千兵衛が作った二人乗り飛行機。操縦盤はバイクより簡単(タロウ談)。エンジンの代わりにドラム缶サイズのコーラを良く振ってセットし、噴出の勢いで飛ぶ。ただしコーラが切れると墜落する(アニメ第2作ではその後も翼を広げ滑空できたが、その翼もすぐ壊れた)。「エンヤコーラ号」の名は作中には登場せず、ジャンプ・コミックスの発明人気投票結果で命名された。
変身ポンポコガン
タヌキの顔が付いた光線銃形のメカ。対象者に向かってマイクで変身させたい物を叫んでトリガーボタンを押すと、先端の球から変身光線が出て、対象者の姿をその物に変えることができる。元に戻すときは「元に戻れ!」と言い、自宅が破壊されたときもこの機能で復元させている。
ホンモノマシーン
手足と顔がついた大型電気炊飯器の形をしたメカ。写真や絵などをこのマシーンの中に入れてお湯を注ぎ蓋をすると、突如登場する「ザ・マヨネーズ」というロックバンドの音楽に合わせてダンスを踊りだす。ひとしきり踊った後沸騰する音が鳴り、マシーンの中から写真や絵の中の物が実体化して現れる(アニメ第2作では貨幣人間などの不正コピーを防ぐため時間制限がある)。千兵衛がスケベ本の中の女性モデルを実体化するために製作した。
床屋ロボットバーバーマン
声 - 第1作・飯塚昭三
散髪をするロボット。腕は悪いし口も悪い。立場が危うくなると自爆する。千兵衛が独身時代、みどりが家を訪ねてくると勘違いして慌てて製作した。
おとぎマシーン
第2作・太田真一郎
マシーンの持つ傘からの光線を浴びると、本の中の世界に入ることができる。千兵衛がスケベ本の中に入るために製作した。
ピンポン号
声 - 第1作・古川登志夫 /第2作・沼田祐介
手足が付いた球形の乗り物。団扇を使って空を飛び、潜水具を付けて水中も泳げる。最も短い発明時間で作った(0コマ)。則巻家全員+冷蔵庫等の大荷物を載せて北極まで飛んだことがあり、かなりのパワーと滞空距離がある。
ビデオくん
ビデオテープを口から飲み込みそのテープを再生する。千兵衛の父が残したビデオを再生した際、再生後にテープが「自動的に消滅」したため一緒に吹っ飛ばされた。
ホーホレチャッタノヨララランラン薬
ワンダーアイランドに住むギャースカ大魔王の涙に自分の鼻糞を混ぜて作った惚れ薬。正確には千兵衛の父の発明品。
ドロボット
サンタクロース気取りでよその家に潜入する時に使った、ゼンマイ式のピッキング用小型ロボット。
アラレ目テレビジョン
アラレの首の配線に映像送信機を接続し、彼女の目を通した映像をテレビに映す。アラレの行動監視のために作ったが、千兵衛はふとしたことからスケベな作戦を思いつき、失敗に終わる。
オーチャくん(声 - 第1作・増岡弘/第2作・西村知道
自分の思ったことを何でもやってくれるパワードスーツ型のマシン。名前の由来は「横着」からで、使いすぎると不潔かつ運動不足に。千兵衛がアラレの家事能力の無さに嘆いて製作した。
スーパーセンちゃん
大都会島テレビの番組に出演することになった千兵衛が、番組に持参する発明品として作った遠隔操縦式の身代わりロボット(本物はペンギン村から操縦)。一見妙なコスプレをした千兵衛当人にしか見えず、怪力を振るったりもしたがリハーサルで頭部を外して見せるまでロボットだと気付かれなかった。スタッフからも絶賛されたが、本番直前に誤って操縦機を壊し暴走、外で“戦争ゴッコ”をしていたアラレ達と共に大都会島に壊滅的被害を与えた。
呼称は本編中では呼ばれず、副題とジャンプ・コミックスの発明人気投票結果で表記。
スペシャル船(シップ)
テレビ番組出演で大都会島へ向かうために作った。ロボット船頭が櫓を漕ぐ和船で、非常に遅いために途中でチビルのタクシードラゴンに乗り換える。『ワンダーアイランド2』でも登場している。
コピーくん
声 - 第1作・大竹宏(51話)佐藤正治(210話)/声 第2作・田中一成
巨大なカメラに手足が付いた形をしたロボットで人物の分身を作ることができる。千兵衛が彼のブッキング対策として製作したが、分身も本体と同じ方に行きたがって喧嘩を始めてしまった。
アニメ版第1作の51話では頼り無そうなボーとした低くスローな口調で喋り、自称は「私」(わたくし)。被写体をピントに合わせた後フラッシュを焚き、身体全体から発する機械的な発光と共に体内で分身が造られ、その後うなり声をあげながら数十秒間踏ん張った後、後方カバーが上に開き分身が誕生する。生みだされた直後の分身は彫像の様な感じだが、何かの反応を感知すると軽快な活動音を立てながら行動を開始する。一方、分身を誕生させたコピーくんはスッキリとした表情で、何事も無かったかの様に頼り無さそうな感じに戻り、千兵衛本体と分身の喧嘩を見ても喧嘩を止めさせる気は無かった。
アニメ版第2作ではハキハキとした口調で喋り、被写体を写した直後に後部が膨張するかの如く膨らみ、掛け声と共に後方カバーが開いて分身が生まれる。分身は出てきた直後、目が覚める様な感じで行動し始める。なお、分身は本体と比べて身体と服の色が薄く、区別しやすくなっている。また新たな設定として「コピーよ消えろ!」とコピーくんが叫ぶとフラッシュが焚かれるとともに分身が消滅する。
なおフラッシュを一回につき連続して焚くことにより一度に分身を数多く作ることが出来る。他人の言うことに疑いを持たない性格で、アラレとガッちゃんの言われるがまま際限もなく2人の分身を生み出してしまう。
合体くん
声 - 第1作・玄田哲章
アニメ版第1作で、コピーくんが作った分身を消滅させるために千兵衛が製作したミキサー型のマシン。両手の2つのノズルで本人とコピーを吸い込み、両目がスロットマシーンのスロットの様に回転し、回転が止まった直後(片方の目に本人の顔ともう片方の目にコピーの顔が映し出される)、「合体!」と合体くんが叫ぶと本人に合体して口から放出される。千兵衛は合体くんの手で瓜二つの他人と合体させられた。
若返り薬
加齢による体力の衰えを感じた千兵衛(当時29歳)が、オジン臭さからみどりにふられる事を危惧して作る。材料(牛乳200cc、ミミズの目玉3個、梅干し3個、ガメラの卵2個、角砂糖1.5個、塩大匙1杯、オロビタンD1本)を良くかき混ぜ弱火で約20分間煮詰めて冷蔵庫で冷やすと完成。この材料で作った分量を飲み干した千兵衛は赤ん坊(歩いたり喋ったりはできる)になってしまった。但し当日の晩に急に元に戻る(赤ん坊の姿をいいことにみどりにさんざ甘えた後、眼前で戻ったので物凄く怒られた)。
お手伝いロボットアキコさん
Dr.スランプの登場人物の「アキコ」を参照。
レッツゴウ号
ペンギングランプリで使用した水陸両用マシン。球状の本体に手足・耳・尾が付いている。難関を3つ目までは順調にクリアしたが(湖を浮いて尾のオールで漕ぎ進む→崖をボールの様に弾んで飛び越える→雪山を耳のスキーで滑走)、最後の難関・地雷原(アニメ第2作では溶岩地帯)で大破した。
みにちゅあわが家
則巻家のミニチュア。このミニチュアに起こった出来事が、指定した時間後に(0の場合は直ちに)本当に起きる。千兵衛がみどりのパンツを見て更にキスをするために製作した。千兵衛が「この漫画に理論など無い」と言い切ったように、原理は永遠の謎とされている。
アニメ第2作ではミニチュアに起きた出来事は、装置の電源を切ればキャンセルできる。また、この時の騒動がみどりへのプロポーズのきっかけになった。
おサンポジェット
アラレ用の、背中に背負う飛行ジェットエンジン。みどりとの新婚旅行を邪魔されない様に気をそらす目的で作ったが、さらわれたみどりの追跡に活躍することになる。
変身コンコンヘルメット(声 - 第2作・宇和川恵美
キツネの頭を象ったヘルメット。葉っぱに変身したいものの名を書き、その葉っぱを頭に挟んでこれをかぶり宙返りをすると、書いたものに変身できる。千兵衛がみどりに悪戯をするつもりで別の女性を触ってしまい、痴漢で逮捕されることを恐れて慌てて製作した。この後アラレ達によって持って行かれ、このヘルメットによってペンギン村をパニックに陥れてしまう。
ロボビタンA(エース)
読者投稿作品。空を飛ぶ哺乳瓶型ロボット。アラレがエネルギー切れになると探して飛んで行き、ロボビタンA(エー)を補給する。オボッチャマン編で一回だけ使用された。
テレポートぼうし
読者投稿作品。どこへでも瞬間移動できる帽子。凄い機能の割に作中の使用は1話分2回きりで「最近出番が無いため、脈絡も無くマシリトの所に出現」したのみだった。
タイムストップウォッチ
懐中時計の形をした、時間を止める機械。製作目的は「みどりのパンツを15センチ間近で見ること」だった。使用した者の時間だけが止まらずに進んでいくため、あまり乱用するとどんどん歳を取っていく。これ以前に作者の依頼で大掛かりな時間停止装置(「時間よ止まれマシーン」なる名称)を作ったこともあったが、操作者自身も停止してしまう欠陥品だった(どうやって復帰したのかは謎)。タイムストップウォッチも千兵衛の設計では作動せず、ターボがこっそり設計図を書き直してようやく完成した。
怪物オートバイ
第2回ペンギングランプリで使用したスーパー二輪車。バイクというよりはローラー車に近い。どんなハード走行にも耐えられると豪語していたが、レース前半で落とし穴にはまりあえなく脱落。
最終回用メカ
最終回のために連載開始時から考えていたらしい、巨大なロケット。派手な打ち上げで盛り上げた割には、最後に戻って来た先端のカプセルから小さいロボットが出て短く挨拶するだけ。最後を飾るにはあまりに下らなかったため、千兵衛は集まった住民に袋叩きにされた。

スピンオフ作品

ちょっとだけかえってきたDr.スランプ
原作・監修:鳥山明、脚本:小山高生、作画:中鶴勝祥。単行本全4巻は現在絶版。『Vジャンプ』(集英社)で1993年2月21号から1996年9月号まで掲載。本作の単行本はフィルムコミックとして発売された。フィルムコミックは映像作品を再編集してコミック化したものが大半であるため、異色であった。TV終了後に公開された映画4作「んちゃ!ペンギン村はハレのち晴れ」、「んちゃ!ペンギン村より愛をこめて」、「ほよよ!!助けたサメに連れられて…」、「んちゃ!!わくわくハートの夏休み」は本作の設定を踏まえて製作されている。キャラクターデザインなどが若干アレンジされており、Dr.マシリトやスッパマンのデザインはそのまま『ドクタースランプ』に引き継がれた。
ドクター・スランプ2007特別編 Dr.MASHIRITO ABALEちゃん
2007年にアニメ第1作のDVD-BOX発売とそれに関連した劇場アニメ化により、映画原作として描き下ろし漫画『ドクター・スランプ2007特別編 Dr.MASHIRITO ABALEちゃん』が『月刊少年ジャンプ』4月号に掲載された。この作品は原作完結後に鳥山自身の筆で発表された唯一の『Dr.スランプ』でもある。内容は、則巻千兵衛やアラレのライバルで地球征服を企んでいたDr.マシリト(故人)の息子、Dr.マシリトJr.がアラレに似たアンドロイド「ABALE」を作り、アラレ達を倒そうとするというもの。単行本には未収録となっている。
5分程度のアニメ映画に仕立てられ、2007年公開のアニメ映画『ONE PIECE エピソードオブアラバスタ 砂漠の王女と海賊たち』と同時上映。声の出演は1stシリーズアニメの声優を中心となっている。

アニメ

Dr.スランプ アラレちゃん

1981年にこのタイトルでアニメ化。大ブームを巻き起こし、アニメ視聴率歴代3位を記録している。原作が少年誌掲載でありながらもその人気は、女性や未就学児にまで広がっていった[5]

エンディングテーマ『アラレちゃん音頭』は、全国の盆踊り大会で使われ大ヒットした。一方で、ウンチが毎回のように登場するなどの点で日本PTA全国協議会から槍玉に挙げられた事もあった。アニメ第1作の初期はウンチに関する描写はかなり抑えられており、アラレが「みっちゃんみちみち」を歌う場面も歌詞が差し替えられていたが、しばらくして大っぴらに描写されるようになった。

他国では香港においても『IQ博士』というタイトルの広東語吹き替え版(歌:アニタ・ムイ)が放映され人気を博し、テーマ曲も広い世代に知られている。その他アジア各国、ヨーロッパでも放送され、中国では『阿拉蕾』というタイトルでも知られている。

ドクタースランプ

アニメ第2作。1997年11月26日から1999年9月22日にフジテレビ系列にて放映、声優やキャラクターデザインなども一新されたリメイク作品。主要キャラクターのデザイン原案は鳥山明本人が務めており、DVDのブックレットなどで鳥山の描いた『ドクタースランプ』版のキャラクターを見ることができる。

前作が大ヒット作だけに集英社は自社の雑誌数十誌でアニメ化告知をするなど大規模な宣伝を行ったものの、前作のような大ブームを巻き起こすには至らなかった。しかし、他のアニメ作品と比較した場合は良好な視聴率を残している。

当時の地上波のプライムタイムの2Dアニメとしては珍しくセル画や現像処理を全く用いないフルデジタル制作が行われ、彩度が高くエッジがハッキリした映像だった。またキャラクターの衣装などポップなイメージを重視し、ノウハウ取得のための実験的な作画手法などもみられた [6]。 反面、ウルトラマンやゴジラ、ガメラなど版権キャラクターをモデルとした脇役キャラや動物擬人キャラは殆ど登場しない。

2008年3月21日に「SLUMP THE BOX 90's」と題してDVD-BOXが発売された。

テレビ

旧シリーズ同様初期は1回の放送が2話構成だったが、途中から1回の放送で1話の構成になった(途中のCMでチャンネルを変えられない為の配慮)。なお、あくまで体裁のみが1話構成で実際にはABパートでまったく別のエピソードを放送することも多かった。

中盤以降は、原作で数話にまたがるエピソードを連結して1話にしたり、アニメオリジナルのエピソードを放送する場合も多く、全74話のうち3割ほどがアニメオリジナルのエピソードとなっている。

中盤には3週に渡り『ドラゴンボール』の孫悟空を登場させた(『ドラゴンボール』の原作漫画およびアニメに存在するエピソードをリメイク。これ以前、当番組の予告編では孫悟空とアラレがタッチをしていたり、センベイの読んでいる原作本の中の悟空がセリフつきで動き出すシーンがあった。)。なおレッドリボン軍の所のみドラゴンボール 最強への道とTVシリーズのテンプレート:要出典範囲

  • 放送期間:1997年(平成9年)11月26日 - 1999年(平成11年)9月29日
  • 放送時間:水曜日19:00 - 19:30
  • 放送話数:全74話+スペシャルエピソード2話
  • 平均視聴率15.3%、最高視聴率24.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
スタッフ 
  • 企画 - 森下孝三、吉田竜也、河合徹→川上大輔
  • 原作 - 鳥山明 
  • シリーズ構成 - 西園悟
  • 音楽 - Funta、鍵山稔
  • キャラクターデザイン - 中鶴勝祥山室直儀
  • 美術デザイン - 辻忠直
  • 美術ボード - 吉池隆司
  • 色彩設計 - 浅井聡子、辻田邦夫
  • シリーズディレクター - 山内重保
  • 製作協力 - 東映
  • 製作 - フジテレビ、東映 → 東映アニメーション
主題歌 
  • オープニングテーマ
    • 『顔でかーい』歌 - Funta、作詞 - U子、作曲 - Hide&U子、編曲 - Hide(1話 - 28話)
      • 歌詞の内容が差別や中傷を含んでいると話題になった。
    • 『Hello,I love you.』歌 - YURIMARI、作詞 - サンプラザ中野、作編曲 - M・KAWAI(29話 - 61話)
    • 『アラレ!パラレ!』歌 - ドクタースランプオールスターズ、作詞 - 太田光、作編曲 - 太田美知彦(62話 - 74話(最終話))
  • エンディングテーマ
    • 『鼻毛がちょっととびだしている。』歌 - Funta、作詞 - U子、作曲 - Hide&U子、編曲 - Hide(1話 - 33話)
    • 『Let me go!』歌 - Favorite Blue、作詞 - 松崎麻矢、作編曲 - 木村貴志、編曲 - Achilles Damigos(34話 - 45話)
      • EDでは唯一歌詞テロップが表記されなかった。また途中から映像に合わせた登場人物のセリフのやりとりが挿入された。ED映像の元は原作『ドドドでペンギン村の巻』。
    • 『あなたがいて わたくしがいて』歌 - オボッチャマン君(くまいもとこ)、作詞 - 奥山美由希、補作詞 - m.c.A・T、作編曲 - 富樫明生(46話 - 74話(最終回))
      • 作詞は番組で募集した視聴者によるもの。毎回イントロ部分ではその回の主要キャラクターによる反省会的なかけあいがあった(46〜47話のみ無し)。ED映像の元は原作『ガッちゃんえらいっ!!!の巻』。

テンプレート:前後番組

映画・特別編

映画 
  • ドクタースランプ アラレのびっくりバーン(1999年)
    • 2009年9月21日発売の『Drスランプ 劇場版DVD-BOX』に収録されている。
特別編 
  • ドクタースランプ ロボット対決!宿敵ドクターマシリト登場 キーンで優勝!?ペンギン・グランプリ(1998年4月1日)
  • Xマスだよ!ドクタースランプ キャイ〜ン声優初挑戦SP!! んちゃ砲でニコチャン星を救えっ(1998年12月23日)
  • ドクタースランプ 悟空登場!!アラレ感激 最後のドラゴンボールはペンギン村にあったぞ!!スペシャル 超マルヒ大ザルの正体を見た(1999年4月14日)
  • アラレ最終回?!鬼塚ビックリ!!豪華アニメ2時間スペシャル(1999年9月22日)
  • ドクタースランプ んちゃ!アラレのおしおき!アイデア泥棒をやっつけちゃえ
    • 7巻、12巻の内容を使用した工業所有権教育用ビデオ。 

漫画

原作・監修:鳥山明/脚本:小山高生成田良美/作画:山室直儀。『Vジャンプ』にて1997年12月号から、2000年7月号まで掲載(2000年1月号・2月号休載)。全30話。

『ドクタースランプ』を原作とした漫画であり、オールカラーであった。アニメ終了後も連載が続いたため、アニメでは描かれなかったターボ君関連の話も描かれている。

単行本化はされていないが、DVD-BOX「SLUMP THE BOX 90's」に封入特典として付属している。

コミックでわかる著作権

1999年、日本著作権センターから、子供向けの著作権学習教材として、「コミックでわかる著作権 ドクタースランプ ニコチャン大王 チタマ脱出作戦」(シナリオ:菅原圭一/作画:田中久志)が出版された。

なお、漫画版ではなく、アニメ『ドクタースランプ』を原作としている。

あらすじ
ペンギン村芸術祭を間近に控えたペンギン村村立中学園で著作権について学んだアラレは、帰宅後、千兵衛にこの日に自分が習ったことを報告する。それを盗み聞きしていたニコチャン大王と家来は、「コピー」という言葉を聴いて、千兵衛の宇宙船をコピーしニコチャン星に帰ることを思いついた。ニコチャン大王たちはその夜、コピー君を使って宇宙船とペンギン村芸術祭の作品をコピーし宇宙船で帰ろうとするが(彼らはコピー品で儲けようとしていた)、その翌朝山頂でアラレとガッちゃんに見つかり撃ち落とされてしまう。千兵衛からの説教で無断複製はいけないことを知ったニコチャン大王たちは反省し、もう二度と勝手にコピーしないと誓い、おとなしくペンギン村警察署併設の刑務所に収容された。コピー品がすべて消え、芸術祭が無事開催される中、ニコチャン大王たちは刑務所の中で「地球(チタマ)の思い出」と題した本を書きながら、いつになったらニコチャン星に帰れるのかと嘆いていた。
原作及びアニメとの相違点
  • ガラとパゴスのパトカーが、ニコちゃん大王と家来が投げた爆弾によって爆破される。
  • 木緑あかねが不良ではなくなっている。則巻みどりに、ペンギン村芸術祭のホームページを作ったらどうかな、と提案する。
  • 千兵衛がニコチャン大王にコピーの大切さを説教するなど比較的真面目で正義感が強い人物になっている。

小説

小説!?Dr.スランプ
辻真先著、集英社コバルト文庫にて1981年7月初版発行。(ISBN 4086104326
小説!?Dr.スランプの逆襲
辻真先著、集英社コバルト文庫にて1982年4月初版発行。(ISBN 4-08-610488-1
Dr.スランプ(映画編)
雪室俊一著、集英社コバルト文庫にて1982年7月15日第1刷発行。(ISBN 4-08-610504-7

ラジオドラマ

TVアニメと同時期にはラジオドラマ化もされており、アラレ役はサザンオールスターズ原由子が演じた。

ゲームソフト

Dr.スランプ バブル大作戦
エニックス(現スクウェア・エニックス)より1984年に発売。機種はPC-6001、ジャンルはアクションゲーム
ドクタースランプ
バンダイ(現バンダイナムコゲームス)より、1999年3月18日に発売。機種はプレイステーション。ジャンルはアクションゲーム。キャラクターデザインはアニメ版第2作に準拠している。
Dr.スランプ アラレちゃん
バンダイナムコゲームス(バンダイレーベル)より2008年10月30日に発売。機種はニンテンドーDS。キャラクターデザインはアニメ版第1作に準拠している。詳細はDr.スランプ アラレちゃん#ゲームを参照。

DVD

SLUMP THE BOX んちゃ編
2007年3月23日発売。定価105,000円。DVD22枚組で『Dr.スランプ アラレちゃん』を1話から120話まで収録。特製ブックレット・フィギュアほか特典多数。
SLUMP THE BOX ほよよ編
2007年9月14日発売。定価105,000円。DVD22枚組で『Dr.スランプ アラレちゃん』を121話から243話まで収録。特製ブックレット・フィギュアほか特典多数。
SLUMP THE BOX 90's
2008年3月21日発売。定価52,500円。DVD13枚組で『ドクタースランプ』を全話収録。特製ブックレット・非売品アニメコミックほか特典多数。
SLUMP THE BOX MOVIES
2008年9月21日発売。定価26,250円。DVD4枚組で、劇場版アニメをすべて収録。特典は特製ブックレットなど。
SLUMP THE COLLECTION(全20巻)
2008年10月9日発売。定価9,765円。各DVD2枚組(最終巻は定価14,648円。DVD3枚組)で『Dr.スランプ アラレちゃん』を1枚各6話ずつ収録。特典は特製ポストカードなど。

他作品との共演

連載終了後、一度だけ鳥山の次作『ドラゴンボール』(其之八十一 - 八十三)の舞台としてペンギン村が登場する。このときのペンギン村は、『Dr.スランプ』の連載終了時の設定がほぼそのまま受け継がれている[7]。出演した『Dr.スランプ』のキャラクターの幾人かは話の大筋にも絡んでおり、特にアラレは大活躍を見せる。該当部分がアニメ化された際には(アニメ『ドラゴンボール』第55話 - 第57話)、『Dr.スランプ アラレちゃん』と同一キャストの声優陣が出演した。また、1997年に『ドクタースランプ』としてリメイクされた際には、中盤におけるテコ入れの一環としてこの部分がペンギン村視点でリメイクされている。その為、ペンギン村の所在地が日本近海とされている当初の設定に矛盾が生じている。

鳥山作品以外のキャラクターとの共演では、1981年7月25日に放送された特番『夏休み人気アニメ祭り アラレちゃん一家総登場!! 1000年女王の正体は!?』において、当時『アラレちゃん』と同じくフジテレビで放送中だったアニメ『新竹取物語 1000年女王』(原作は松本零士)のキャラクターとの共演がある。

その他

  • トヨタポルテCMにおいてアニメ版のオープニングテーマ曲『ワイワイワールド』(替え歌およびアレンジ)が使用された。
  • 2009年7月から発売してるミスタードーナッツの新商品フルーズンのTVCMに登場。相武紗季がフルーズンを飲んで『頭にキーン』と叫ぶと同時にアラレが登場。
  • 香港映画『大福星』では、則巻アラレの着包みを着込んだジャッキー・チェンが大立ち回りを見せる。

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 1.0 1.1 「集英社、コミック単行本『Dr.スランプ』絶好調──第6巻初版220万部、業界新」『日経産業新聞』1981年12月21日付、4頁。
  2. 口(くち)をロ(ろ)と読む。
  3. この月表記を決めたとき、村の寄り合いの書記が老眼だったためにベンケイガニの濁点と半濁点と見間違えて書き写してしまい、この呼び名になった。
  4. 例えば、作中の中盤から登場した摘さん一家は中国人であり、ペンギン村の住人を日本人と言っている。
  5. 「さらばわが青春の『少年ジャンプ』」飛鳥新社 293、294頁。
  6. 初期OPの、多数のキャラクターによるダンスシーンがその典型である。従来の技術ではセル画を重ね合わせて撮影する必要があるが、セル画の性質上あれだけの枚数を重ねて撮影する事は不可能であり、デジタル作画ならではの作画手法となった。(「SLUMP THE BOX 90's」付属ブックレットの解説より)
  7. タロウが警察官になっており、アラレたちはまだ高校を卒業していない。

外部リンク

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