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人造人間(じんぞうにんげん)は、鳥山明漫画アニメ作品『ドラゴンボール』シリーズに登場する架空のキャラクター達である。

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概説

レッドリボン軍に所属する科学者・ドクター・ゲロが創造した人造人間である。

本来の目的は、レッドリボン軍の世界征服のため、最強の兵隊を作ることだったが、孫悟空によってレッドリボン軍が壊滅した後は、悟空に復讐し倒すことに目的を変更、非常に高い戦闘力と特殊能力を持つ様々なタイプの人造人間を作った。戦士たちが行う、を探る索敵方法では発見不可能な者が多い。13号から20号までの人造人間の共通点として、両耳に同形状のピアスを付けている。

人造人間の種類

ドクター・ゲロが製造した人造人間は大きく3種類に分類される。人間がベースの人造人間(8号、17号、18号、20号)、一から機械として作られた無機的人造人間(13号-16号、19号)、バイオテクノロジーなどにより作られた有機的人造人間(セル、セルジュニア)である。人造人間の定義によればそれぞれサイボーグアンドロイドバイオロイドとなるが、日本国外のDVDソフトなどの字幕では総称してandroid(アンドロイド)と表記されている。

8号
声 - 飯塚昭三
唯一、作品初期に登場。フランケンシュタインの怪物のような外見をした人造人間。人間ベースであり、元々は人間であった[1][2]。戦い嫌いの優しい性格であり、軍にとっては失敗作であった。その後すぐに悟空と仲良しになり、名前が呼びにくいために「ハッチャン[3]」と名付けられた。この名前は本人も気に入っている。
戦い嫌いな性格ゆえ、自分を爆破しようとしたムラサキ曹長にすら手を出さなかったが、ホワイト将軍が騙し撃ちで悟空を気絶させた際には激しい怒りを見せ、ホワイトを遥か遠くまで殴り飛ばすなど高い戦闘能力を見せている。アニメではマッスルタワーの階下を破壊して倒壊させた。
ジングル村に落ちたドラゴンボールを以前外出した際に見つけていたが、ホワイトに渡すと村人が皆殺しにされるので隠し、マッスルタワー壊滅後に悟空に渡す。それが村長(声 - 槐柳二)に気に入られ、その後はジングル村で村長夫妻と共に住んでいる。なお、アニメではフラッペ博士が開発したことになっており、マッスルタワー崩壊後、フラッペ博士により体内の爆弾を除去された。
無印アニメのピッコロ大魔王編では、スノが出かけていたキングキャッスルが大魔王に占拠されたので彼女を心配して現場に向かい、合流して共に負傷者の救護に当たった。「魔族の戦士」を気取る不良少年達に妨害されたが、彼らの武器を叩き落して威圧、病院に案内させる。
魔人ブウ編ではジングル村の人々の中で、ブウと戦っている者の正体が悟空であることにいち早く気付き、村人たちと共に悟空の元気玉に協力している。
劇場版『最強への道』ではマッスルタワーの最終兵器として登場、悟空を追い詰めるが本来の戦い嫌いの性格ゆえ殺すことができずホワイトに爆破されそうになるが、悟空の手により助けられる。ホワイト将軍達を警察に引き渡した後、ブラックに苦戦する孫悟空を助け半壊状態に陥るがドラゴンボールの手により復活。飛行能力を有していた。また、着ていた服の色は深緑となっている。
ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』の心優しき人造人間編では、悟空抹殺のため未来から襲来した16号と戦うこととなる。
16号
声 - 緑川光
無から作られた、完全なロボットタイプの人造人間。大柄でモヒカン頭とプロテクターが特徴。17号、18号と同様の永久エネルギー炉を搭載しているほか、17号、18号にはないパワーレーダーが内蔵され、相手の強さと位置が判る。セルを除いた中では最強の人造人間だが、悟空を殺す以外のことはプログラムされていないことから、争いを好まず自然や動物を愛し、また弱者を思いやる心を持っている優しい性格のため、8号同様にドクター・ゲロからは失敗作とみなされていた。劇中でも恩を受けたクリリンに対しては感謝の言葉を述べていたり、セルが会場を吹っ飛ばした時にミスター・サタン達を助けてもいる。しかし、悟空抹殺を目的としていることは公言しており、クリリンの「悟空を殺すのはやめろと言っても無駄か?」という趣旨の問いには「無駄だ。俺たちは孫悟空を殺すために作られた」と返し、セルゲーム開始前には自身に挨拶した悟空に「俺はお前を殺すために作られた、そのことを忘れるな」と言い放っている。
両腕はロケットパンチ(ゲーム『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』では「ヘルズインパクト」)として発射可能な他、取り外して「ヘルズフラッシュ」を放つことも可能。
ピッコロや17号よりはるかに強くなった第1形態のセルと互角に戦うが、17号を吸収し第2形態になったセルには力及ばず、頭部を破壊され倒される。その後、ブルマに修理され再びセルと戦うためにセルゲームに参加、気を持たない体質を生かしセルと共に自爆しようとしたが、後述のように爆弾が取り除かれていた事をクリリンに告げられ戦意喪失。セルに「最も、爆弾如きでこの私が死んだとも思えんがね」と吐き捨てられた後、頭部を残して完全に破壊された。しかし、頭部を破壊される直前、悟飯へアドバイスし超サイヤ人2への覚醒を導く重要な役割をはたし、悟飯に未来を託す。自爆で相手を道連れにするため最終手段として、ブルマ曰く「地球がぶっ飛ぶ威力」というほどの超高性能爆弾が体内に内蔵されていたが、彼女が修理した際に取り除かれた[4]。セルゲームでは胸のレッドリボン軍のマークに代わりカプセルコーポレーションのロゴマークが張られていた。原作・アニメともにセルに破壊された後もドラゴンボールで蘇った描写は存在しない。
『ドラゴンボールZ Sparking! METEOR』の心優しき人造人間編では、タイムマシンで過去を訪れ少年時代(レッドリボン軍編辺り)の悟空を狙い、悟空を守るため立ちはだかる8号と戦うがルートによっては悟空達と和解する。また、ドクター・ゲロと戦わせると、「お前に従うようにはプログラムされていない」と発言し、創造主を倒すことに全く躊躇いを見せない。彼と同じく悟空抹殺を目的とする13号と戦わせると、「孫悟空を殺すのは俺の任務だ」とライバル視する。また、作中では取り除かれて使用できなかった自爆も使用できるようになり、自分の体力を1残して相手にダメージを与えることができる。
17号
声 - 中原茂
人間ベースの男の人造人間で、18号の双子の弟。エネルギー永久式。

詳細は人造人間17号を参照

18号
声 - 伊藤美紀
人間の女をベースにした人造人間で、17号の双子の姉。エネルギー永久式。後にクリリンと結婚。

詳細は人造人間18号を参照

19号
声 - 堀之紀(Z、改)、稲田徹(GT)
白い肌で鋭い目つきに、太った体型をしている。作中にてゲロの命令に唯一忠実であり、最も完成度の高い人造人間。知能も高く、ドクター・ゲロを人造人間20号に改造した。メカタイプの全人工製で、安定性を重視し旧型のエネルギー吸収式を採用している。性格は冷静であるが、エネルギーを吸収する際は「ひゃあっ」と奇声を上げたり、不意打ちしたベジータに対し20号に自分を戦わせるように懇願する一面も見せる。帽子の下はゲロと同じく桃色の透明なドーム状になっており、内部には電子頭脳が見える。
最初は悟空に一方的に押されるも、心臓病の影響で消耗した悟空を追い詰める。その後、超サイヤ人に変身したベジータにはまるで敵わず「ガラクタ人形」と呼ばれ、最後は「ビッグ・バン・アタック」で頭部だけを残し破壊された。
なお、未来世界における19号は現在世界における17号であるため、未来世界からやってきたトランクスが残骸を見て驚愕するシーンは、歴史が変わったことを表す出来事として扱われている。後の『GT』で復活し、プイプイと共に行動していたが悟天とトランクスによりエネルギーを吸収することなく撃破され原作同様頭部だけを残した。
20号(ドクター・ゲロ)
声 - 矢田耕司
レッドリボン軍の天才科学者であり、のちに自らを改造して人造人間20号となった。

詳細はドクター・ゲロを参照

セル
声 - 若本規夫
セミの化け物のような外見をしている。ドクター・ゲロが開発したコンピュータにより、武道の達人たちの様々な細胞を組み合わせてできたバイオテクノロジーによる人造人間。17号、18号を吸収することにより完全体となる。

詳細はセル (ドラゴンボール)を参照

セルジュニア
声 - 沼田祐介[5]島田敏[6]中原茂[7]鈴置洋孝[8]藤本たかひろ[9]
完全体となったセルから生み出されたセルの息子にして分身。悟飯を除き、戦士が7人いたため原作では7体産み出されている。
体色は水色と黒でセルをデフォルメしたような容姿をしているが、性格は非常に凶暴で好戦的である。生まれながらにセルの記憶を持っており、同様に多彩な技も使え、セルゲームに向けて精神と時の部屋で修行したベジータ、トランクスでやっと互角、ピッコロ相手にすら優勢の戦いができるほどに戦闘力は高い[10]。まともな言葉を発声することは非常に少なく「キシャー」などという奇声を発することが多いが、クリリンの攻撃をかわした際や天津飯を蹴った時など喋っている。悟空達を蹂躙するも、超サイヤ人2に覚醒した悟飯によって7体とも一撃で倒された[11]。セルと異なり、再生能力は持たない。
アニメではベジータの特攻に脅威を感じる、またファイナルフラッシュを蹴り返す、数体がピッコロに蹴散らされる、悟空の援護に回ったヤムチャと天津飯の攻撃でダメージを食らう、かめはめ波や魔貫光殺砲を使うなど戦闘シーンが大幅に増えた。
セルの能力で産み落とされた生命体なので、厳密には「人造人間」の定義には当てはまらない(直接のバイオテクノロジーによるものでもない)が、セルの息子と言っても事実上「分身」なので、便宜上ここに分類される。

劇場版オリジナル設定

原作やアニメ本編に登場しなかった人造人間のうち、13号 - 15号は劇場版『極限バトル!!三大超サイヤ人』でドクター・ゲロの遺志を継ぐ人造人間として登場。原作では登場しないものの、かなり完成度が高かったとの設定であった。キャラクターデザインは鳥山だが、このうち14号と15号はアニメスタッフの手により、当初のナンバリングを逆に変更された。詳細は劇場版の項を参照。

13号
声 - 曽我部和恭(Z)、遠藤守哉(PS2ゲーム『Sparking!NEO』『Sparking!METEOR』)
劇場版の3体の中では最後に目覚めた人造人間で、14号・15号と異なり外見は一般の人間に近い。14号・15号が破壊された後は、2体の残骸の中から部品を取り込んでパワーアップを果たし、合体13号となって悟空達を襲う。
14号
声 - 江川央生
かなりの巨体で肌は白く、辮髪を結っている。13号とは違い人語はほとんど話さず、機械的に「ソン ゴクウ」と繰り返し音声を発するのみである。また、他の2体に比べ表面的な表情の変化などにも乏しく、ほぼ常に無表情で戦闘を行う。
15号
声 - 小林俊夫
外見はかなり小柄で肌の色は紫、派手な色の服装を着用。また、頭頂部と眼球部はほぼ機械のままであり、それらをカムフラージュするためか大きな帽子とサングラスを身に着けている。14号と同じくほとんど人語を喋らないが、時折、声や表情で笑いを見せることがあった。

ドラゴンボールGT

地獄に落ちたドクター・ゲロがドクター・ミューと協力して新17号(ヘルファイター17号)を開発。ふたりの17号の力で地球と地獄を繋ぐ穴を開け、かつての敵が地獄から復活。その中に19号の姿が確認でき、地球でプイプイと共に暴れ回っていたものの、トランクスと孫悟天の気功波を受け、首だけを残して破壊された。

またゲロ曰く、17号は実はセルをも凌ぐ潜在能力を持っていたものの、人間だった頃の感情を完全に捨てることができなかったために失敗作と見なされたとのこと。新17号はこの世にいる17号と合体して超(スーパー)17号となる。

新17号と超17号の詳細は人造人間17号を参照

未登場

1号 - 7号、および9号 - 12号
ドクター・ゲロが開発した、本編には登場しない人造人間。1号 - 7号は、レッドリボン軍の世界征服のため、最強の兵隊を作ることを目的に、9号 - 12号はレッドリボン軍を壊滅させた悟空を倒すために造られたが、全てに何らかの問題があったらしく既に処分されていた。また、原作やアニメ本編ではこれらに加え、13号 - 15号も処分されたことが明言されている。

補足

一部のゲームではセルを除き、気、必殺技に必要なエネルギーを自分で回復することができない設定になっている。これは人造人間だけでなく、完全な機械タイプのキャラクター(メタルクウラ等)もこれに該当している。

作劇方針の変容

人造人間編では連載中に試行錯誤が見られた。当初は19号・20号のみを登場させる予定だったが、鳥山は既に担当を外れていた鳥嶋和彦に「ジジイとデブじゃないですか」と文句を言われ、仕方なく17号・18号をデザイン。しかし、「今度はガキじゃないですか」と再び文句を言われて最終的にセルがボスとして登場することになった。そのセルですら鳥山の予定通りとはいかず、第二形態は作者の中ではもっと活躍させる予定だったが、編集担当者に容姿を酷評され、早く完全体にするようアドバイスされたため、予定よりも早く完全体が登場することとなった。

この方針変更によって、当初トランクスが危機を知らせに来た際の台詞では19号・20号と呼称されていた人造人間は、トランクスが未来世界に帰還した後のエピソードで17号・18号と呼称されており、描写に混乱が見られることになった。

脚注

  1. 渡辺彰則編 「キャラクター辞典」『ドラゴンボール大全集 7巻』集英社、1996年2月25日、ISBN 4-08-782757-7、74頁。
  2. 大全集で語られる以前のアニメにおいても「一度死んだお前を蘇らせた」という台詞がある。
  3. 原作での表記。無印アニメの第42話サブタイトルでは「8ちゃん」表記である。
  4. アニメでは爆弾の存在を危険視したブリーフ博士によって取り除いたと語っている
  5. 沼田の公式プロフィールより。
  6. SFCゲーム『ドラゴンボールZ 超武闘伝2
  7. PSゲーム『ドラゴンボールZ 偉大なるドラゴンボール伝説
  8. PS2ゲーム『ドラゴンボールZ』シリーズ、『ドラゴンボールZ Sparking!』シリーズ
  9. アニメ『ドラゴンボール改』、PSPゲーム『ドラゴンボール タッグバーサス
  10. 原作・アニメ共にセルジュニアと互角に戦えているとセルに言われたのはベジータとトランクスだけだが、アニメではピッコロもかなりの善戦を見せ、また原作でも互角に戦っている様子が小さくだが描かれた上、悟飯が超サイヤ人2に覚醒した時点でも倒れていない。ただし、悟空は先のセル戦での疲労によりまともに戦える状態ではなかった。
  11. アニメでは最終的に8体が倒されている。

関連項目

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