ピラフ一味(-いちみ)は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』と、それを原作としたアニメに登場する架空の一味である。
原作での初登場は其之十八「D.B.(ドラゴンボール)奪われる!!」。アニメでは第1話「ブルマと孫悟空」から登場している。
概要[]
ピラフを中心とし、ドラゴンボールを集めて世界征服を企む3人組。最初期から登場しており、作品初期の雰囲気を強く反映したコメディリリーフ的なキャラクター達。
全員かなりウブな性格をしており、「投げキッス」をいやらしいことだと思い、口に出すこともためらう。ブルマが、「『きょいきょい』や『ぱふぱふ』、『いんぐりもんぐり』とかされるかと思った」と発言した際には、慌てふためきブルマを変態呼ばわりしていた。
原作ではたった3回しか登場しなかったが、アニメでは原作と比較して登場機会が大幅に増えており、孫悟空とは腐れ縁とも言える状態であった。
メンバー[]
ピラフ[]
声 - 千葉繁
エイジ715年生まれ[1]の世界征服を企む大王。水色の肌をしており、身長が低い。体重32kg[1]。モンスター型地球人[2]。人の中でも特に間抜けな性格で、趣味は世界征服、嫌いなものは計画を邪魔する奴と述べるほど[3]シュウとマイを手足のように使い世界征服を企んではいるが、目的を達成した際に何をするかまでは考えていなかった。着ている服には「炒飯」の中国式簡体字の漢字(炒饭)が入っている。帽子に入った星印は、ドラゴンボールを狙ってるという意味合いがある[4]。
自称偉大な科学者[1]で、ドラゴンボールの位置を判明不能にする特殊なケースや、合体機能を持つ乗り込み型の戦闘用ロボット・ピラフマシンを製作するなど、科学力・資金力はあるが、戦闘力は一般人並。科学力は、レッドリボン軍やブルマと互角に渡り合えるだけの物がある。人工衛星を使い、占いババの館での孫悟飯と孫悟空の対戦から悟空のウイークポイントを見つけ出し、ピラフマシンで勝負を挑むも弱点の尻尾がなくなっていたため、あっさり敗北。その後、ピッコロ大魔王を利用して世界を分けて貰おうとしたが、散々利用された挙句、追放される。
TVゲーム『ドラゴンボールZ外伝 サイヤ人絶滅計画』ではデンデ(神様)に化け、Z戦士を騙すシーンが存在する。ドラゴンボールの叶えられる願いが2つに増えているのを知らなかった為、見破られるものの、願いを叶える事に成功する。この時の願いは世界征服ではなく、Z戦士を動けなくする事と、破壊された別荘を島ごと復元する事だった。
名前の由来は食べ物のピラフから[5]。
シュウ(ソバ)[]
声 - 玄田哲章
ピラフの手先の一人で、忍者のような服装をした犬型の地球人。ピラフと比較すればまだ常識的だが、何処か抜けた性格。アニメでは服装に合わせて軽快な動きも見せるが、特に忍術を使えるわけではない。ピラフマシンで悟空に敗れた際、道着が破れた悟空に服を取られたことがある。
名前が2つあるのは、当初ソバと名前をつけていた作者が、そのことを忘れシュウと名前を再度つけてしまったため[5]。結局シュウが正式名称ということで落ち着き、アニメでは全てシュウに統一されているが、原作ではそれ以後もソバになっている箇所がある。単行本7巻の巻末コーナーでは、「ショウ」とまたさらに名前を間違えられていた[6]。
名前の由来はシュウ+マイでシュウマイから[5]。ソバはソバから。
マイ[]
声 - 山田栄子
ピラフの手先の一人。背が高く、将校風の服装をした長髪の美女。間抜けな面もあるが、一味の中では一番の常識派であり、他の2人の突っ込み役。女性ながら戦闘能力も確かである。容姿に似合わず無意識のうちにウンチを取り出しているなど下ネタが好きな一面があり、それをピラフにたしなめられたことも。ただし、ブルマの発言に顔を赤らめるなど、過激な下ネタには弱い。作中では他の2人同様いつも悲惨な目にあっている。アニメでは悟空を追って山に登った際、その山は女性が登ると猛吹雪が起こることを知ったピラフに、山から蹴り落とされるシ-ンもある。またこの時はチチを人質にもとるが、相手が悪くあっさりと返り討ちに遭う。 ドラゴンボールZ 神と神およびドラゴンボール超の破壊神ビルス編ではトランクスのガールフレンドになった。
名前の由来はシュウ+マイでシュウマイから[5]。
ストーリーへの絡み[]
- エイジ749 - 悟空たちからドラゴンボールを奪って世界征服を企もうとするも、ウーロンがとっさに言ったスケベな願いで妨害される。さらに満月を見て大猿に変身した悟空を見て逃亡を図るが、ジェット機を墜落させられ、散々な目にあう。
- エイジ750 - 悟空が占いババの用意した選手たちと戦った後、ドラゴンボールを賭けピラフマシンで悟空と闘う。「悟空は尻尾を握られると力が抜ける」という弱点を知り、利用して勝つ作戦だったが、直前の戦いで尻尾が千切れていたために握ることが出来ず、あっさり敗れる。
- エイジ753 - 電子ジャーに封じられていたピッコロ大魔王をよみがえらせる。大魔王が世界征服を果たした際に世界の一部を分けて貰おうと画策していたが、結局散々利用された挙句追放される。
アニメのみの登場シーン[]
- 第1話から登場。ドラゴンボールを実際に奪うまでに何度も失敗し、退散する様子が描かれていた。
- 2度目の玉探し編では、ピラフマシンを使用しての戦いの少し前に、レッドリボン軍編でも登場。飛行要塞ともいうべきマシンを使用し、悟空・レッドリボン軍幹部シルバー大佐と、三つ巴のドラゴンボール争奪戦を繰り広げた。悟空のかぶりものでチチを騙そうとして失敗したり、骨董屋で偽物を掴まされながらも、一旦は六星球を手に入れることに成功。しかし、最終的にはシルバーに奪われることに。
- ドラゴンボールを賭けた悟空との対戦に備え、ピラフマシンの性能テストを行う様子が描かれていた。
- 原作ではピッコロ大魔王編が最後の登場だったが、アニメではその3年後・エイジ756に再登場。火喰い鳥の卵を奪いマニアに売り付けようと企むも、キウイ火山で青年に成長した悟空と再び遭遇して、あっさり倒された他、フラッペ山の雪山では悟空に芭蕉扇で扇がれて吹き飛んだ。
アニメ『ドラゴンボール』ではかなり出番が増えていたが、作品が『ドラゴンボールZ』に移行した後には、登場の機会はなくなった。『ドラゴンボールGT』では悟空を子供の姿に変える役割として久々に登場した。
劇場版でのピラフ一味[]
パラレル色の強い映画『摩訶不思議大冒険』では、冒頭に一味が登場。原作やアニメ本編ではピッコロ大魔王やシルバー大佐ですら一味を殺害しなかったが、この映画では桃白白に殺害されるショッキングなシーンが登場した。(但し直接的な描写はなく、空気がそれっぽいだけで本当に殺されたかも不明だが) 因みにそれ以外の旧劇場版には全く登場せず。
新劇場版『ドラゴンボールZ 神と神』では子供の姿で登場。ブルマの誕生日パーティとして用意されていた景品を狙うが悟飯達の活躍により失敗に終わった。 続編の『ドラゴンボールZ 復活の「F」』にも引き続き登場。この時もソルベに脅されていたとはいえフリーザを復活させるなど悪役ぶりを見せていた。しかし、100万ゼニーが欲しいという願いを同時にしたことでコルド大王の復活は阻止している。
ドラゴンボールGTでのピラフ一味[]
『ドラゴンボールGT』では無印での最後の登場から33年後のエイジ789、年老いたピラフ達がもう一つのドラゴンボールを狙って神の神殿に侵入するが、うっかり願いを間違えて悟空を子供の姿にしてしまい、世界征服の夢は果たせないままとなった。また、長い年悟空に会っていなかったからか、悟空に久々に遭遇するや「誰だお前は!?」と口走った[7]。その後も地球爆発の際、瞬間移動で迎えに来た超サイヤ人4悟空に驚いて逃げようとするシーンが見られた。
ドラゴンボール超でのピラフ一味[]
神と神や復活の「F」と概ね変わらず。フリーザの一件が収まった後は特に悪事を働くことなく大人しくしており、悟空達と一緒に格闘試合会場に同行した。 未来トランクス編では遂にピラフ一味が味方として活躍。タイムマシンの未来世界との繋がりが弱くなっていたところを復旧させ(厳密には繋がり関係なく自由にどの平行世界にも渡れるようにした)、未来全王様を現代世界に連れてることやトランクスを未来に帰還させることに大きく貢献した。 また、未来世界でもマイが未来トランクスの相棒として活躍しており、ピラフ一味はこの章でかなりの大出世をしたことになる。 宇宙サバイバル編では2017年10月現在、特に活躍なし。
いずれの作品(特に新劇場版や超)にも登場したことから魔人ブウ編で地球人の殆どが死に、その後ドラゴンボールで「極悪人以外生き返らせてください」との願いで生き返っていたということになった。つまり、根は極悪人ではないということになる。
『CROSS EPOCH』でのピラフ[]
『CROSS EPOCH』では完全にギャグキャラクターとして『ONE PIECE』のバギーとともに登場。
原作での彼とは別人であるものの、世界征服をたくらんでいるのは相変わらず。悟空とルフィのかめはめ波+ゴムゴムのバズーカを戦艦に打ち込まれ墜落寸前のところをベジータとブルマに撃ち落され、さらにピッコロとゾロの峰打ちを喰らった上に墜落し、亀仙人とサンジに見捨てられるというやられっぷりを披露した。なお、墜落時の爆発の煙はどくろマークとなっており、さながらタイムボカンシリーズの悪党3人組がやられるときの演出のようになっている。なお、一緒に登場しているバギーもアニメの声優は同じ千葉繁である。
『DRAGONBALL EVOLUTION』でのマイ[]
20世紀フォックスの実写映画、『DRAGONBALL EVOLUTION』ではマイのみが登場。長髪黒髪のアジア人風の容姿の女性で、ピッコロ大魔王の配下になり、武術にも長け変身能力を有していた。
演じたのは田村英里子で、吹き替えは甲斐田裕子。
ピラフマシン[]
ピラフが開発を行い、ピラフ一味が乗り込む戦闘用ロボット。原作では占いババ編でしか使用していない。 小型の球形状のピラフ機、大柄なマイ用に機体サイズも少し大きめになっているマイ機、大きな脚部を持つシュウ機で構成され、合体機構も搭載している。孫悟空とのドラゴンボールを賭けた戦いで使用される。超合金α(アルファ)製の装甲に加え、ピラフが「とてつもないパワー」と言っているように悟空をも手こずらせる出力を持っているが苦戦、大きな人型に合体するもののかめはめ波の一撃でマイ機が大破、残った二機でダチョウ型になって逃走を試み、追って来る悟空にミサイルを撃つが投げ返されて大破。原作では三機ともオレンジで塗装されているが、アニメ版ではピラフ機は青、マイ機はピンク、シュウ機は緑で塗装されている。
TVゲーム『ドラゴンボールZ Sparking! NEO』ではWii版のみピラフマシンが隠しキャラクターとして登場、ピラフ機と合体形態を使用できる。マイ機にガトリングガンと二門のレーザー砲「ダブルバスター」が装備されるなど武装面も充実している。
アニメ無印終盤では、青年となった悟空とフラッペ山で再会した際にそれぞれが戦闘用マシンを使用していた。
城・基地[]
- ピラフの城
- 世界征服を企むピラフ一味の住む城。1階にあたる土台部分は飛行機の格納庫が設置されているほか、敵の侵入を防ぐ罠や迷路になっている。塔の最上階は寝室と司令室になっており、すぐ下の階はゲーム部屋になっている。屋根にある巨大アンテナで世界の情報を収集している。ゲーム部屋の隣が、悟空たちが閉じ込められた鉄壁の強度をほこるガラス張りの監禁室になっている[8]。『ドラゴンボールGT』では、地球が爆発することになり悟空がピラフ一味を瞬間移動で迎えに行く場面があるが、城は壊れたままの状態であった。
- ピラフの秘密基地
- ドラゴンボールに登場。攻撃可能な飛行要塞が格納できるだけの大きさがある、竹の子型の基地。ピラフの住みかにもなっており、通常は砂漠の下にある。エイジ750年、この秘密基地でレッドリボン軍が六星球を入手している。
補足[]
ギャグキャラクターであったためか、大猿になった悟空にジェット機を墜落させられた際、その後機体が爆発し炎上したが、多少黒こげになっただけで済んでいる。他には、ピラフマシンを使用しての戦いの際、悟空に撃ったミサイルを投げ返されてマシンを爆破されるが、多少の黒こげで済んでいるほか、ピッコロ大魔王に追放された際には、上空の飛行船から突き落とされたが、地面に穴が開いたり、たんこぶが出来た程度で済むなど、通常では死亡してもおかしくないシーンでも、あまり重大な怪我をすることなく済んでいた。
メンバー同士は、なんだかんだで仲睦まじく、夜は3人でトランプに興じた後、ベッドを並べて寝ている。
ゲーム「Sparking! METEOR」でピッコロ大魔王を撃破すると、ピラフは「最後は必ず正義が勝つのだ!」と口走ってシュウやマイを絶句させた(マイに至っては「私たちって、悪役じゃ…」とぼやかれる)。
脚注[]
- ↑ 1.0 1.1 1.2 ドラゴンボール大全集7巻 102頁
- ↑ 「種族の章 地球人」 ドラゴンボール大全集4巻 68頁
- ↑ 「DRAGONBALL徹底全激闘史 男の履歴書」 DRAGONBALL冒険SPECIAL 31頁
- ↑ 「鳥山先生に完全密着取材Q&A!!なるほど!?ザ・ドラゴンボール」 週刊少年ジャンプ特別編集『DRAGON BALL 冒険SPECIAL』 139頁
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 鈴木晴彦編「capsule column 5 キャラ名の由来を知りたい!」『ドラゴンボール完全版公式ガイド Dragonball FOREVER STORY 人造人間編~魔人ブウ編 All BOUTS & CHARACTERS』158-159頁。
- ↑ 鳥山明「とりやまさんのDRAGON BALLなんでもかんでもコーナー」『DRAGON BALL 第7巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1987年5月15日、ISBN 4-08-851837-3、190-191頁。
- ↑ 一方で、悟空はピラフを「やっぱりそうだ。お前ピラフだろ」と懐かしがった。
- ↑ このガラス張りの部屋は大猿になった悟空によって、城もろとも破壊された。
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