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ドラゴンボールZ 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』(ドラゴンボールゼット りゅうけんばくはつ!!ごくうがやらねばだれがやる)は、1995年7月15日に公開された「ドラゴンボール」シリーズの劇場公開作第16弾であり、劇場版『ドラゴンボールZ』シリーズの最終作。監督は橋本光夫

夏休みの東映アニメフェアの1作品として上映された。同時上映作は『SLAM DUNK 吠えろバスケットマン魂!!花道と流川の熱き夏』『NINKU -忍空-

解説

魔人ブウ撃破後のストーリー。原作が完結したあとに製作発表された、劇場版『ドラゴンボールZ』の最終作。今作はオープニングがなくクレジットは作中に表記するという形をとっていた。

また、初期に配布されていたポスターと映画公開時のポスターではかなり内容に差異がある。初期のものは「今度は悟空と悟飯がフュージョン!?」などと記されていたものもあり(劇場用予告編は、悟空が「悟飯!悟天!トランクス!ベジータ!フュージョンだ!!」と、恰も全員でフュージョンを行うかのようなセリフで構成されている)、龍拳の要素やトランクスとタピオンの兄弟劇などは宣伝に入っていなかった。なお、劇場公開時のパンフレットはそれまでの過去16作品を「この映画では○○がNo1」といった初めて特集やナンバーワン特集を設けていた。

銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』と同じく原作、アニメと比べても矛盾しない時系列の物語。そのため、悟飯は超サイヤ人にならずに老界王神による潜在能力開放状態で戦い、魔人ブウとの最終決戦時に悟空をナンバー1と認めしがらみを捨て丸くなったベジータが一般市民を守るシーンなどが描かれている。トランクスが最後にタピオンから剣を与えられるシーンがあり、人造人間編の青年トランクスも幼少期にタピオンから勇者の剣を授かった可能性が示唆される描写となっている。製作者は「トランクス=剣、のイメージを復活させたかったから」と語っている。

前記の「悟空と悟飯がフュージョン」は、「完全無欠のヒルデガーンを倒すには、悟空の闘志と悟飯の頭脳を合わせる必要がある」と言う製作者サイドの意向があったが[1]、最終的には「なんでもかんでも合体させればいいもんじゃない。ドラゴンボールという世界を愚弄する事になりかねない。合体したキャラ名のゴクン、ゴクウハン、ゴハンクウなどが、どう考えてもしっくりこない」となり、少年トランクスが剣を振るうシーン、主人公である悟空がさらなる修行で身に付けた新必殺技を繰り出すことで落ち着いた。

潜在能力を開放した孫悟飯、超サイヤ人3ゴテンクス、グレートサイヤマン2号の最初で最後の劇場版出演作品でもある。

また、ヒルデガーンとの最終決戦の舞台は巨大な敵との市街地での決戦という、ドラゴンボールには異例の構成になった(市街での戦いは『極限バトル!!三大超サイヤ人』にもあったが、すぐに氷河地帯へ決戦の舞台を移した。原作でも、人造人間19号、20号が出現した市街地を破壊したが、戦闘は荒野に移動されて行われた)。

なお、亀仙人役の声優は宮内幸平亡き後アニメ版では増岡弘が務めたが、この作品では佐藤正治が担当した。佐藤は後年の『ドラゴンボール改』でも亀仙人役を演じている。

2006年4月14日発売の「ドラゴンボール劇場版DVD-BOX」に収録されており単巻DVDは2009年2月13日発売。

あらすじ

魔人ブウの脅威が去り、グレートサイヤマンの活躍などもあって地球はしばし平和な日々が続いていた。ある日、悟飯とビーデルはいつものようにグレートサイヤマンとしての任務をこなしている最中にホイという老人からオルゴールに封じられた勇者を復活させてほしいと頼まれる。オルゴールを鳴らすことができれば勇者は復活するというが、悟空でさえオルゴールの取っ手を回すことはできず、ならばドラゴンボールに頼んでみようということで神龍を呼び出す。

神龍によって封印を解かれたオルゴールは美しい音色と共に壊れ、そこからオカリナを吹きながら一人の青年が現れた。彼こそホイの言っていた伝説の勇者・タピオンであった。タピオンのその雰囲気にトランクスは興味津々でついてまわるが、そこでホイの不審な動きも目撃する。その後打ち解けたトランクスとタピオンはカプセルコーポレーションで一緒に兄弟のように住み始めるが、実はタピオンには恐ろしい秘密が隠されていた。かつてコナッツ星を襲った幻魔人ヒルデガーンが彼の体内に封じられていたのである。

ブルマの提案で封印されていたオルゴールを再現するも、先に封印の解かれた下半身と引き合う力を止められず、ついにヒルデガーンは復活してしまった。悟空達と、幻魔人ヒルデガーンとの戦いが始まる。

ゲストキャラクター

タピオン
南の銀河、コナッツ星でヒルデガーンを封印した伝説の勇者。弟のミノシアがいるが、作品冒頭で殺されてしまう。コナッツ星の神から与えられた剣と笛で1000年前、ミノシアと共にコナッツ星で暴れた幻魔人ヒルデガーンを笛の音で抑え込み、神官が伝説の剣で両断し、タピオンの身体に上半身、ミノシアの身体に下半身を封印した。ヒルデガーンを蘇らせぬよう、彼ら自身も悟空でさえ壊せない程のオルゴールに封印させ、別々の銀河に流された。だが、ヒルデガーン復活を企む魔導師ホイにより、ミノシアは殺され、ドラゴンボールにより彼の封印も解かれ悟空たちの前に姿を現す。特殊な封印のオカリナを吹く事でヒルデガーンの力を押さえつけ、体内に封印することができる。なお、このオカリナの曲は彼のテーマソングになっている。当初は幻魔人がその身に宿っていることから、誰も近づけまいと振舞っていたが、そのうちトランクスに心を開き、カプセルコーポレーションに身を寄せる。しかし、下半身と引き合う力により結局封印した上半身は解放され、ヒルデガーンは完全復活してしまう。
戦闘シーンはほとんどないが、悟空に「すげえ気だ」と言われ、オカリナを吹きながらベジータですら防いだ後は意識を失っているヒルデガーンの吐く炎をバリヤーで軽々と防いでいる。
最終的には悟空がヒルデガーンを倒し、生き残ったタピオンはブルマのタイムマシンに乗って1000年前に帰還する。その際、自分の剣をトランクスに譲り渡す。
名前の由来はタピオカをもじったもの。鳥山明がイラストに添えたメモに「“タピオカ”ではあまりにもそのままなので」とある[2]
ミノシア
兄のタピオンと共にヒルデガーンの半身を封じた自分自身をオルゴールに封印していたが、ホイに見つけられ封印を解かれていまい、ヒルデガーンの下半身に殺されてしまう。
ホイ
悟飯達に勇者タピオンの封じ込められたオルゴールの解放を持ちかけた老人。当初はおどけた老人の姿を装っていたが、その正体は、かつてコナッツ星に流れ着いた魔導師たちの一人で、コナッツ星で魔人像の霊体に邪悪エネルギーを注ぎ込み、幻魔人ヒルデガーンへと変身させた魔導師一派の唯一の生き残り。宇宙征服の野望のためヒルデガーンを利用するためタピオン、ミノシアに封印されていたそれぞれのオルゴールを探し当てヒルデガーンの解放に成功するが、その後、完全体となり制御不能となったヒルデガーンに踏み潰されてしまう。
ヒルデガーン
『ドラゴンボールZ』劇場版最後のボスキャラクターであり、ジャネンバ(変化前)に続く巨大モンスター型の敵キャラクターである。
1000年前、コナッツ星の悪の気を吸い取った魔人像の霊体が、魔導師たちに邪悪なエネルギーを注ぎ込まれて変身した、コナッツ星で暴れた幻魔人。強大なエネルギーを持つうえ、自在に霊体であるエクトプラズムとなり攻撃をかわすことができ、攻撃するときだけ実体化する[3]。ドクロのような顔をしており、蝉のように脱皮し、進化する。コナッツ星を滅亡寸前まで破壊するが、タピオン兄弟が封印のオカリナで力を抑えている隙に、神官の手により、伝説の剣で真っ二つにされ、上半身をタピオンに、下半身をミノシアによりそれぞれ封印された。その後、地球で魔導師ホイの策略により復活を果たす。口から火炎を放射したり、尻尾から人間のエネルギーを吸い取ることが出来る。
最初は下半身のみで現れ街を破壊し、悟飯と互角の戦いを繰り広げるが、タピオンの封印のオカリナに抑えられた。その後、上半身の復活により、全身が現れる。悟飯曰く、下半身時よりパワーもスピードも桁違いに上がっているとのこと。超サイヤ人3ゴテンクスの「連続死ね死ねミサイル」を食らって1度は沈黙するが、虫のように脱皮し、羽の生えた、より禍々しい姿の完全体へと進化した。進化後は、ゴテンクスをたった一撃で分離に追い込み、悟飯やベジータを圧倒し、タピオンの封印のオカリナを持ってしても制御不能となるなど猛威を振るうが、倒すには攻撃の実体化する瞬間に一撃必殺のカウンター攻撃を決めるしかないと見抜いた悟空が放った新技『龍拳』により倒された。ちなみに超サイヤ人3の悟空に倒された唯一の敵である。
劇場版公式サイトのマル秘ノート(公開終了)には、ヒルデガーンは超サイヤ人3悟空と対等に渡り合う強敵だが、ジャネンバは超サイヤ人3悟空さえ退けているので、強さでいえば劇場版の敵としては二番目ということになると記載されている。
名前の由来は企画の蛭田成一を「ガーン」とショックを受けるようなデザインをしようとしたこと(蛭田ガーンヒルデガーン)から[4]

声の出演

スタッフ

  • 製作総指揮 - 高岩淡、安齊富夫、泊懋
  • 原作 - 鳥山明
  • 企画 - 森下孝三、蛭田成一、清水賢治、金田耕司、週刊少年ジャンプ
  • 製作担当 - 杉本隆一
  • 脚本 - 小山高生
  • 音楽 - 菊池俊輔
  • 撮影監督 - 清水政夫
  • 編集 - 福光伸一
  • 録音 - 二宮健治
  • 美術設定 - 窪田忠雄
  • 美術監督 - 東潤一
  • 作画監督 - 山室直儀
  • 監修 - 山内重保
  • 監督 - 橋本光夫
  • 原画 - 稲上晃館直樹、山室直儀 他
  • 宣伝協力 - フジテレビ

主題歌

  • EDテーマ「俺がやらなきゃ誰がやる」(編曲 - 林有三、歌 - 影山ヒロノブ
  • 挿入歌「勇者の笛 ~タピオンのテーマ~」(編曲 - 戸塚修、歌 - 大矢晋)※メロディーのみの曲。
2曲共に、作詞 - 森雪之丞、作曲 - 林哲司

関連書籍

  • ジャンプ・アニメ・コレクション(3) ドラゴンボールZ 映画編 龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる - 集英社、1995年10月21日、雑誌68101-3

脚注

  1. 悟飯がヒルデガーンの唯一の攻略法を見抜き、悟空に伝えようとするシーンはこの名残。
  2. 渡辺彰則編「GALLERY OF 鳥山明」『ドラゴンボール大全集 6巻』集英社、1995年12月9日、ISBN 4-08-782756-9、186頁。
  3. 劇場版公式サイト ドラゴンボールヒストリー ゲストキャラクター(公開終了)
  4. 渡辺彰則編「'95memorial」『ドラゴンボール大全集 6巻』158-159頁。

関連項目

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