『ドラゴンボールZ 銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』(-ゼット ぎんが-すごいやつ)は、1993年7月10日に公開された「ドラゴンボール」シリーズの劇場公開作第12弾である。監督は上田芳裕。
夏休みの東映アニメフェアの1作品として上映された。同時上映作は『Dr.スランプ アラレちゃん んちゃ!ペンギン村より愛をこめて』『幽☆遊☆白書』
解説
邦画興行収入(22.3億円) 1993年邦画配給収入(13.1億円)[1]
セルゲーム終了から数ヶ月後の話であるため、主役は悟空ではなく悟飯である。悟飯はそれまでのピッコロの胴着ではなく、悟空と同じ胴着を着用している。劇場版で悟飯がこの胴着を着ているのは本作と『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』の2作のみ。トランクスが「未来の人造人間を倒した」という報告の為に現代に来ており、未来のトランクスは本作での登場が最後。また、18号との対決の後に所在が不明となっていたトランクスの剣がベジータによって保管され、修復されていた事が明らかとなった。更にセル戦後、「カカロット(悟空)と決着を付ける」という目標を失い、戦う事をやめたベジータが戦意を取り戻す経緯が描かれている。
また、『地球まるごと超決戦』以来3年ぶりにレギュラーキャラがほぼ全員登場した。上述の未来のトランクス、ヤムチャと天津飯、ピッコロはこの作品が最後の戦い、登場となった(ピッコロは悟飯が見た幻としてこの先1回登場する)。
長期にわたって使用されたオープニングテーマの「CHA-LA HEAD-CHA-LA」は本作で終了となった。また、亀仙人役の宮内幸平が1995年に死去し、本作が最後の亀仙人役となった。
2006年4月14日発売の「ドラゴンボール劇場版DVD-BOX」に収録されており単品のDVDは2008年12月12日発売。
あらすじ
賞金1億ゼニーと世界温泉めぐりが懸ったギョーサン・マネー主催の天下一大武道大会に出場した悟飯たち。かつて父・悟空も今の自分のように亀仙流の道着を着て修行に励んでいたと優勝を目指し次々と勝ち進む悟飯。未来から人造人間を倒したことを報告しに来たトランクスやいきなりピッコロと闘う羽目になってしまったが、ピッコロがくだらなさを感じ棄権したために勝ち進んでいくクリリンもそれに続いていた。しかし、ベジータは悟空が死んだショックから立ち直りきれておらず、トランクスの試合をつまらなさそうにテレビで観戦していた。あの世では大会の様子を悟空や界王様も見物していた。同時に会場にいたミスターサタンが地球を救ったことになっていたことも知ったようである。
ついに決勝の組み合わせが決定した大会では、バトルゾーンで銀河戦士[1]と戦い勝って一番初めに戻ってきた人が優勝というルールでの試合が開始された。しかし、その中には正規の選手ではない謎の戦士たちが紛れていた。
通常の選手との違いを感じ取ったクリリンだったが、なすすべなく敗れてしまう。悟飯もほかの選手との違いを感じて戦闘を開始。別の場所で何とか一味の一人を討ち取ったトランクスであったが、その直後に別の仲間に襲われてしまう。
それを見ていた界王様はかつて銀河中を荒らしまわったヘラー一族の生き残りであることを確信する。東西南北4人の界王によって封印されていたが、セルとの闘いで北の界王が死んでしまったために封印が解けてしまったという。悟空が不在の地球を守るべく、悟飯の戦いが始まる。
ゲストキャラクター
- ボージャック
- その昔、銀河を荒らし回っていたヘラー一族の生き残りのリーダー。4人の界王により封印されていたが、北銀河の界王が死んだことで封印が解けて復活した。ゴクア、ザンギャ、ビドー、ブージンの計4人の配下を引き連れて武道大会を乗っ取った。
- 通常状態では橙色の長髪に濃い青色の肌をしている。さらにパワーアップ形態へと変身すると、黄緑色の肌、赤色の髪になる。圧倒的な戦闘力で悟飯やベジータ、ピッコロとトランクスらを凌駕するも、激怒した孫悟空に一撃を見舞われ、その孫悟空に叱咤され超サイヤ人2に覚醒した悟飯によって倒された。
- のちの劇場版『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!!悟空とベジータ』では、フリーザの部下として登場している。
- 名前の由来は傍若無人の傍若から[2]。
- ゴクア
- 剣を駆使して戦う。劇中ではほかのメンバーとは合流しなかった唯一の銀河戦士。赤い髪に変わって巨大化するパワーアップで、トランクスを圧倒するも、超サイヤ人に変身したトランクスに剣を砕かれ、直後に腹を拳で貫かれて死亡した。
- 名前の由来は極悪非道の極悪から[3]。
- ザンギャ
- 天下一大武道大会の決勝バトルゾーンで対戦相手の銀河戦士とすり替わり、クリリンを一瞬にして倒した実力を持つ女性戦士。Z戦士相手に善戦するも、超サイヤ人2に覚醒し、ブージンたちを一掃した悟飯の実力を目の当たりにして怯んでいるところを、ボージャックに背後から体を突き飛ばされ、悟飯目がけて放たれたエネルギー弾に巻き込まれ捨て駒にされて死亡した。
- のちの劇場版『復活のフュージョン!!悟空とベジータ』では、フリーザの部下として登場している。
- ボージャックと共に『超武闘伝2』に登場している。この作品の対戦モードで2人を戦わせてボージャックが勝利した際に隠しコマンドを入力することで、隠しメッセージとして本作でのボージャックのザンギャへの行為に対する謝罪の言葉が聞ける。
- 名前の由来は残虐から[3]。
- ビドー
- モヒカン頭、口ひげにイヤリングと、野生的な外見が特徴。ボージャックの部下の中では一番の巨漢で、巨漢のドスコイを片手で軽々と持ち上げ、そのまま絞殺するほどの怪力の持ち主。超サイヤ人2に覚醒した悟飯の一撃で倒された。
- 名前の由来は極悪非道の非道から[3]。
- ブージン
- 青色のターバンのような布を被った戦士。小柄で身のこなしがすばやく、糸のような結界で相手の動きを束縛して封じるなど、超能力を自在に操る。天津飯を一撃で倒すものの、超サイヤ人2となった悟飯に、ビドーともども一撃で瞬殺された。
- 名前の由来は傍若無人の無人から[2]。
- ギョーサン・マネー
- 世界一の大富豪。息子・ドルの10歳の誕生日のために天下一大武道大会を開く。妻はオッカネー・マネー。
- 名前の由来はそれぞれぎょうさん・金→ギョーサン・マネー、ドル、お金。
- プロデューサー
- 武道大会の大会責任者。ギョーサン・マネーやサタンに振り回される。
- ウドー
- 天下一大武道大会に出場した選手。悟飯のはるか数倍の大柄な体格で、一回戦の相手である悟飯を舐めきっていたが、足払いを食らってはるか彼方まで蹴り飛ばされた。
- 名前の由来はウドから。
- ドスコイ
- 天下一大武道大会に出場した力士。悟飯達を除いて決勝に進出した選手。砂漠のバトルステージにて地中から突如現れたビドーに首を掴まれ、抵抗が出来ないまま絞殺された。
- 名前の由来は力士の掛け声「どすこい」から。
- カンフーン
- 天下一大武道大会に出場した武道家。予選を勝ち残るが準決勝にてうっちゃりでドスコイに敗れる[4]。
- 名前の由来はカンフーから。
声の出演
- 孫悟空、孫悟飯 - 野沢雅子
- ピッコロ、プロデューサー[5] - 古川登志夫
- クリリン - 田中真弓
- トランクス - 草尾毅
- ヤムチャ - 古谷徹
- 天津飯 - 鈴置洋孝
- 餃子、ドル・マネー - 江森浩子
- ベジータ - 堀川亮
- ミスター・サタン - 郷里大輔
- ブルマ、オッカネー・マネー - 鶴ひろみ
- チチ:渡辺菜生子
- ウーロン、ブージン、ギョーサン・マネー[5]、ドスコイ - 龍田直樹
- 亀仙人、ウドー[5] - 宮内幸平
- ボージャック - 玄田哲章
- ゴクア - 森川智之
- ザンギャ - 丸尾知子
- ビドー、天下一大武道大会アナウンサー - 江川央生
- ナレーター、界王 - 八奈見乗児
スタッフ
- 製作総指揮 - 今田智憲、安齊富夫
- 原作 - 鳥山明
- 企画 - 森下孝三、清水賢治、金田耕司、週刊少年ジャンプ
- 製作担当 - 樋口宗久
- 脚本 - 小山高生
- 音楽 - 菊池俊輔
- 撮影監督 - 清水政夫
- 録音 - 二宮健治
- 編集 - 福光伸一
- 美術監督 - 徳重賢
- 作画監督 - 山室直儀
- 監修 - 山内重保
- 監督 - 上田芳裕
- 原画 - 富永真理、諏訪可奈恵、山室直儀、稲上晃 他
- 宣伝協力 - フジテレビ
主題歌
- オープニングテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」(作詞 - 森雪之丞)
- エンディングテーマ「銀河を超えてライジング・ハイ」(作詞 - 佐藤大)
2曲ともに、作曲 - 清岡千穂、編曲 - 山本健司、歌 - 影山ヒロノブ。
脚注
- ↑ 東西南北それぞれの銀河を代表する戦士という振れ込みだが、実はサタンの弟子。
- ↑ 2.0 2.1 渡辺彰則編「'93memorial」『ドラゴンボール大全集 6巻』集英社、1995年12月9日、ISBN 4-08-782756-9、122-123頁。
- ↑ 3.0 3.1 3.2 渡辺彰則編 「ANIMATION'S GLEANINGS DBアニメの舞台裏 Planning PART2・TVスペシャル&劇場版編」『ドラゴンボール大全集 補巻』集英社、1996年8月18日、ISBN 4-08-102019-1、68頁。
- ↑ 戦闘描写は無い。
- ↑ 5.0 5.1 5.2 劇場版公式サイト 劇場版ドラゴンボールヒストリー
関連項目
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