『ドラゴンボールZ 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』(ドラゴンボールゼット ぜつぼうへのはんこう!!のこされたちょうせんし・ごはんとトランクス)は、1993年2月24日に放送された『ドラゴンボールZ』のテレビスペシャル。『たったひとりの最終決戦』に続く第2作目。
概要
原作漫画の番外編『TRUNKS THE STORY -たった一人の戦士-』に、大幅にオリジナルシーンを加えた形で構成されたもの。ただし、トランクスが超サイヤ人に覚醒する時期、序盤で戦いに参加し殺されたメンバーの一部等が原作と異なっている。
本編の164話でもトランクスの回想シーンで類似したシーンが放送された。但し孫悟飯と共に闘ったトランクスが剣を持っている等の違いがある。
話の内容は、主要人物らが次々に亡くなる等、かなり暗い作風として描かれており、悟飯が人造人間に殺されてしまった時、演じた野沢雅子は非常に悔しい思いをしたと語っている[1]。また、トランクス役の草尾毅は印象に残ったストーリーに本作を挙げている[2]。
DRAGON BOX2の特典としてDVD化され、2011年8月5日発売のDRAGONBALLZ SPECIAL SELECTION DVDに収録される。
ストーリー
孫悟空が心臓病で息を引き取った。それから半年後、2人の人造人間が現れ、都市の破壊と殺戮を繰り返し、この世は恐怖に包まれた。2人を倒すべく立ち上がった戦士たちも、ピッコロが死に、ドラゴンボールは消滅。さらに超サイヤ人となったベジータも殺され、地球人戦士のヤムチャ、天津飯、餃子、そしてクリリンと全員が殺された。
それからさらに13年。なすすべも無い状況の中、青年となった孫悟飯だけは、懸命に人造人間への反抗を続けていた。その姿を見たトランクスは…。
キャスト
- 孫悟飯(そんごはん)
- 声 - 野沢雅子
- かつて宇宙一の戦士といわれた孫悟空の一人息子。13年間の間に仲間が殺された怒りで超サイヤ人に覚醒。しかし、人造人間との戦闘はいつも瀕死の状態であったようである(手持ちの仙豆が1粒しかない事に驚いていた事から、頻繁に使用していた様子)。後に父・悟空のライバルであったベジータの遺児であるトランクスの師となる。三枚目的なキャラクターで学園生活を送った本編に比べ、それまで過ごした環境の違いからか物静かな人物として描かれている。人造人間との戦いでトランクスを庇って隻腕となりながら勇戦敢闘し、最後はトランクスを温存すべく敢えて単身17号・18号に挑むが、力及ばず果てた。なお、戦いの最中原作通り左腕を失うが、失う場面は直接描かれていない(17号らが街を破壊し、意識を取り戻した時には既に失っていた)。また原作でのその件に触れるセリフはカットされている(最後の戦いの前にトランクスから「その体じゃ…」といわれる程度)。
- トランクス
- 声 - 草尾毅
- サイヤ人の王子ベジータの遺児。父であるベジータは物心付いた頃には他界しており、唯一の肉親は母のブルマだけである(祖父母の存命は描写されていないので不明)。人造人間になす術もなく破壊される街を見てサイヤ人の誇りに目覚めるが、悟飯の鬼気迫る指導の中、なかなか超サイヤ人に覚醒することができず焦りを見せる。しかし、皮肉にも人生の師である悟飯の死と同時に超サイヤ人に目覚めた(原作では悟飯との修行中に既に超サイヤ人になっており、あと数か月で悟飯を超えるほど)。その後も、一人で人造人間と挑み続けるが一度も勝てず、歴史を変えるべくブルマが開発したタイムマシンで、悟空が生きていた過去の時代へ心臓病の薬を携え、単身向かった。
- ブルマ
- 声 - 鶴ひろみ
- トランクスの母。人造人間の行いは許せないものの、闘いでは勝ち目がないことは悟っており、違う方法で人造人間を破壊する術を自身の残された研究施設で模索している。トランクスや悟飯が闘っている事は知っていたが、サイヤ人の性格を知っている彼女らしく黙認していた。後にトランクスが人造人間に立ち向かおうとする際も、「3年前の悟飯と大して違っているとは思えない」と実力差を見抜いていた。
- 亀仙人(かめせんにん)
- 声 - 宮内幸平
- かつて世界最強と謳われた武術の達人。原作では弟子たちが殺された後の消息は不明だったが、本作では戦わずプーアル、ウーロンと共に生き残ったことになっており、3番弟子であった悟空さえ生きていれば人造人間を倒せたと己の無力さを嘆いている。
- チチ
- 声 - 渡辺菜生子
- 悟空の妻で悟飯の母、牛魔王の娘。元武道家で女性では世界最強と言われた程の使い手。悟飯が人造人間に敵わないことは悟っているようで、闘いを諦めて牛魔王と3人で平穏に暮らしたいと考えている。原作では生死不明だったが、今作では生存が確認され、悟空の死ですっかり元気がなくなり、人造人間と戦う気力も無くしている様子が描かれた。トランクスと共に人造人間と戦う悟飯を心配し、家族3人が写った写真を眺めながら「戦いなどやめて、自分の元へ戻ってこい」と語りかけている。
- 牛魔王(ぎゅうまおう)
- 声 - 郷里大輔
- 悟飯の祖父でチチの父。かつては亀仙人の2番弟子として知られた武道家。原作では消息不明だったが、本作ではチチや亀仙人同様、人造人間とは直接戦わずに生き残る。しかし本編では初登場時から変わらぬ外見を最終回まで保っていたが、この本来の歴史では悟空、クリリン、ヤムチャ、天津飯ら後輩たちを失った心労からか老け込んでいた。街で戦いつづける悟飯の噂を聞き、心配している。
- クリリン
- 声 - 田中真弓
- 武道家で悟空の親友。17号と18号と戦うも戦死している。
- ベジータ
- 声 - 堀川亮
- 惑星ベジータの王子でブルマの夫。また悟空のライバルにして、トランクスの父親。悟空の死後人造人間との闘いで死亡。原作では不明だが、本作やアニメのトランクスの回想シーンでは、超サイヤ人になっていた。17号との戦いで戦死している。
- 人造人間17号(じんぞうにんげんじゅうななごう)
- 声 - 中原茂
- 少年的な無邪気さと非情な性格で街を破壊することを「ゲーム」と称して、人間の恐怖にひきつるさまを楽しんでいる。しかし、18号からはその子供っぽさを少し呆れられる場面もあった。
- 人造人間18号(じんぞうにんげんじゅうはちごう)
- 声 - 伊藤美紀
- パワーは17号に劣るものの、性格では17号よりもはるかに非情な面を持ち合わせており、超サイヤ人に覚醒すらしていないトランクスに向かって怒りの一撃を放っていた。女性型らしく服装を気にしている面もあるようで、「人類を絶滅させても洋服屋だけは残すように」と17号に忠告していた。
- アナウンサー
- 声 - 里内信夫
- 店主
- 声 - 太田真一郎
- 女
- 声 - 長沢直美
- 係員
- 声 - 田中一成
- ナレーション
- 声 - 八奈見乗児
スタッフ
- 企画 - 清水賢治、金田耕司、森下孝三
- 原作 - 鳥山明
- 製作担当 - 山口彰彦
- シリーズディレクター - 西尾大介
- シリーズ構成 - 小山高生
- 脚本 - 戸田博史
- 音楽 - 菊池俊輔
- 美術設定、美術監督 - 鷲崎博
- キャラクター設定、作画監督 - 前田実
- 演出 - 上田芳裕
- 原画 - 中鶴勝祥 ほか
- 制作 - フジテレビ、東映動画
主題歌
- OPテーマ「CHA-LA HEAD-CHA-LA」
- 作詞 - 森雪之丞 / 作曲 - 清岡千穂 / 編曲 - 山本健司 / 歌 - 影山ヒロノブ
- EDテーマ 「青い風のHOPE」
- 作詞 - 佐藤大 / 作曲 - 清岡千穂 / 編曲 - 山本健司 / 歌 - 影山ヒロノブ
脚注
- ↑ 週刊少年ジャンプ編集部編「テレビスペシャル特別リポート アフレコ・スタジオ・ルポ!!」『ジャンプ・アニメコミックスドラゴンボールZテレビスペシャル 絶望への反抗!!残された超戦士・悟飯とトランクス』集英社〈ジャンプコミックスセレクション〉、1993年5月31日、ISBN 4-8342-1185-1、164-165頁。
- ↑ ジャンプ・コミック出版編集部編「天下一声優陣 其之二 トランクス役 草尾毅」『テレビアニメ完全カイド「DRAGONBALL」~天下一伝説~』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2004年7月2日、ISBN 4-08-873705-9、154-157頁。
関連項目
- ドラゴンボールZ 真武道会2 - PSP専用のゲームソフト。本作をベースにし、なおかつ人造人間が全て倒された後の未来を描いている。
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