『ドラゴンボールZ 危険なふたり!超戦士はねむれない』(-ゼット きけんなふたり!スーパーせんしはねむれない)は、1994年3月12日に公開された「ドラゴンボール」シリーズの劇場公開作第13弾である。監督は山内重保。
春休みの東映アニメフェアの1作品として上映された。同時上映作は『Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!助けたサメに連れられて・・・』『SLAM DUNK』
解説
邦画興行収入(24.7億円) 1994年邦画配給収入(14.5億円)
主題歌が「WE GOTTA POWER」へと変わったドラゴンボールZ第二期初の劇場版である。また、ドラゴンボールZの劇場版で過去作と直接ストーリーがつながっている続篇は『100億パワーの戦士たち』以来。
本作で孫悟天、現代のトランクス、ビーデルが初登場。時系列的には第25回天下一武道会に向けた修行期間のうちとされている[1]。この期間の孫悟飯は自身の強さや超サイヤ人の事はビーデルには秘密にしているため、悟飯が超サイヤ人に変身するのはビーデルが居合わせていないか気絶している間であり、ビーデルにブロリーを倒したことを問い詰められた時も「僕じゃない」と否定していた。
なお、前半部分、悟天とトランクスのちびっ子を主点に置いている為に、子供らしい演出やギャグなどが多用されている。後半は、孫悟飯が、父孫悟空に代わって、ブロリーとの完全決着を付けようと、前作同様激しい戦いを繰り広げる。また、本作ではブロリーの憎しみの根源となった孫悟空が、セルとの戦いで死亡していた時期のため、回想シーンと幻(?)という形でしか登場していない。本作は劇場版における新生ドラゴンボールをアピールする意味もあり、新たなレギュラーキャラ以外で登場した旧来キャラは、高校生に成長した孫悟飯とクリリン、幻(?)という形で登場した孫悟空とピッコロだけである。
後に、ブロリーの少量の血液から造られた“バイオブロリー”が劇場版に登場するが、オリジナルのブロリーとは今作で、孫悟空一家の手によって、完全な決着が付く。
なお、同時上映作の『Dr.スランプ アラレちゃん ほよよ!助けたサメに連れられて・・・』ではスッパマンが超サイヤ人となる。
2006年4月14日発売の「ドラゴンボール劇場版DVD-BOX」に収録されており単品のDVDは2008年12月12日発売。
あらすじ
『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』で新惑星ベジータが崩壊した瞬間、一つの宇宙ポッドが惑星から脱出していた。そこに乗っていたのは伝説の超サイヤ人ブロリー。惑星崩壊の直前まで対決し、自らを打ち破った孫悟空を追い、地球に漂着したブロリーであったが、悟空から受けたダメージは想像以上に大きく、そのまま氷の下に閉じ込められてしまう。
7年後、孫悟天とトランクス、そしてミスター・サタンの娘で孫悟飯のクラスメイトであるビーデルはドラゴンボール探しをしていた。それぞれ子供ながらのかわいらしい願い事や単に神龍を見たいというだけといういたって遊び心にあふれた冒険であったが、その途中、謎の異常気象と、巨大な恐竜に苦しむナタデ村に辿り着き、その解決策として生け贄問題に悩む人々と出会う。村の問題は簡単に解決したものの、その時の悟天の泣き声に感応し、氷壁の中に眠っていたブロリーが覚醒してしまう。
彼が7年前、兄や父達を苦しめた伝説の超サイヤ人などということは知らない悟天やトランクス、ビーデルが闘いを挑む。悟天の顔が悟空にそっくりであったために、ブロリーの怒りと憎しみはさらに暴走。戦いの中、7つ目のドラゴンボールも発見。神龍に願いブロリーを倒してもらおうとするが、ブロリー相手ではそんな隙もなく、大ピンチに陥る。同じ頃、修行中の孫悟飯もただならぬ気を感じ、悟天たちの元へ向かう。トドメを刺される寸前の悟天らを救い、7年ぶりにブロリーと邂逅。父、孫悟空への復讐を遂げに来たのだと理解した悟飯は、父が亡き今、自分が代わってブロリーとの完全なる決着をつける事を決意し一騎打ちを挑むが、以前よりパワーアップしたブロリーに窮地に追い込まれる。だがその時、7つ揃ったドラゴンボールが光を帯びる。
ゲストキャラクター
- ココ
- ナタデ村の娘。山神と思われた村を襲う恐竜への生贄にされそうになっていたところを悟天たちに救われる。
- 名前は村の名前と共にナタデココから[2]。
- ココの祖父
- 心を痛めつつ、ココをいけにえに差し出す。
- 長老
- 山の水晶を採石して暮らす村人たちが住むナタデ村の老人。かつては村を襲う怪物に立ち向かおうとしたが力尽き、祈祷師のお告げに従うことになった。7年前から異常気象が続き、山の動物を食い尽くした怪物が村を襲いだした災難をビーデルたちに説明した。
- 祈祷師
- ナタデ村で祈祷を行い村人を煽動する。恐竜を山神だと思い、祟りを恐れココを生け贄にしようとした。
- 怪物
- 異常気象で巨大に成長した、村を襲っていた恐竜。悟天とトランクスにあっさりと退治され、バーベキューにされる。
- ブロリー
- 7年前に孫悟空達の手によって倒された「伝説の超サイヤ人」。新惑星ベジータと運命を共にしたかと思われていたが、崩壊寸前に宇宙ポッドに乗り込み地球へ向けて脱出していた。漂着地点が極寒地帯であったため、墜落時にできたクレーターごと氷付けとなり、氷河の下に7年間封印され眠り続けていたが、ビーデル達がやってきた際に悟天の嘘泣きに共鳴し復活。さらに増した憎しみで孫悟天たちに襲い掛かる。
詳細はブロリーを参照
声の出演
- 孫悟空・孫悟飯・孫悟天 - 野沢雅子
- クリリン - 田中真弓
- トランクス - 草尾毅
- ビーデル - 皆口裕子
- ココ - 嶋方淳子
- 祈祷師 - 茶風林
- 村人 - 江川央生、木村明日香、幸野善之
- ブロリー - 島田敏
- 長老 - 高木均
- ナレーター - 八奈見乗児
スタッフ
- 製作総指揮 - 泊懋、安齊富夫
- 原作 - 鳥山明
- 企画 - 森下孝三、清水賢治、金田耕司、週刊少年ジャンプ
- 製作担当 - 風間厚徳
- 脚本 - 小山高生
- 音楽 - 菊池俊輔
- 撮影監督 - 梶原裕美子
- 編集 - 福光伸一
- 録音 - 二宮健治
- 美術監修・設定 - 窪田忠雄
- 美術監督 - 徳重賢
- 作画監督 - 山室直儀
- 監督 - 山内重保
- 原画 - 館直樹、入好さとる、細田守、稲上晃、山室直儀 他
- 宣伝協力 - フジテレビ
主題歌
- OPテーマ「WE GOTTA POWER」(作曲・編曲 - 石川恵樹)
- EDテーマ「奇蹟のビッグ・ファイト」(作曲 - 林哲司、編曲 - 戸塚修)
2曲共に、作詞 - 森雪之丞、歌 - 影山ヒロノブ。
脚注
- ↑ 渡辺彰則編「DBZ THE MOVIE BATTLE STORIES №10『危険なふたり!超戦士はねむれない』」『ドラゴンボール大全集 6巻』集英社、1995年12月9日、ISBN 4-08-782756-9、106頁。
- ↑ 渡辺彰則編「'94memorial」『ドラゴンボール大全集 6巻』140頁。
関連項目
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