クリリン (Kulilin、Klilyn) は、鳥山明の漫画『ドラゴンボール』及びそれを原作とするアニメに登場する架空の人物。アニメ版の声優は田中真弓。
原作での初登場は其之二十五「ライバル? 参上!!」、アニメでの初登場は第14話「悟空のライバル? 参上!!」。
概要[]
エイジ736年10月29日生まれのA型で身長153cm、体重45kg(成人時)。趣味はカラオケ。好きな食べ物は中華バイキング。好きな乗り物はスポーツカー[1]。 100メートル走の記録は亀仙人のもとで修行する前の時点で10秒1(作中では10秒4を記録。因みにライバルの孫悟空は8秒5、武天老師様は5秒6であった。)
孫悟空とは亀仙流の兄弟弟子にして無二の親友。悟空と共に戦う仲間の中では、亀仙人、ヤムチャに次ぐ古参。「東の村」の出身で、「強くなって女の子にモテたい」という動機から多林寺で修行を始めるが、先輩たちからのいじめに耐え切れずに寺を飛び出し、その後亀仙人の元を訪ねてきた。
クリリンは悟空にとって、亀仙人の厳しい修行を共にし、多くの時を一緒に過ごした最大の親友である。彼がタンバリンに殺された時には、普段は温厚な悟空が激怒し「ぶっ殺してやる!!」と叫んで突撃し、さらに悟空の目の前でフリーザに殺された際には、悟空の怒りが頂点を超え、超サイヤ人へと変身した。
主要キャラクターの中で死が描写された最初の人物であり、死を経験した回数は計3回と原作では最多である[2]。
人物・性格[]
登場当初はトゲトゲしい性格だったが、徐々に軟化し、作品内でも随一の常識人となっている。時にややきついジョークを口にすることもあるが、師匠の影響もありほどほどにスケベで、本質的には善良な好人物である。その気さくな人柄から、当初は完全な味方とは言い難かったピッコロやベジータとも恐る恐るではあるが率先して会話をし、戦士たちの橋渡し・ムードメーカー的なポジションにいる。
良く言えば慎重、悪く言えば臆病な気質で、危機的状況に陥ると度々逃走を提案したり怖気づいて怯むなどやや情けない所もあるが、仲間や愛する人間の危機や死に際しては、自分ではかなわない強敵であっても戦いを辞さないところもあり、悟飯を守るためにフリーザに奇襲を仕掛けたり、人造人間18号を吸収したセルに激昂して立ち向かっている。アニメの対セル戦ではピッコロとともに悟飯を援護をするヤムチャや天津飯に呆れながらも付き合ったり、天界で、魔人ブウから18号たちを逃がすために死を覚悟で単身特攻している。
初登場時は当時の悟空より少し身長が低く、剃髪していた。初対面した悟空に、坊主頭をパチンコ玉のようだと言われて憤慨している。この際「武道を志すものは頭を丸めるのだ」と説明しているにも関わらず、悟空はクリリンの頭をハゲであるとかなり長い間勘違いしていた。後に身長は伸びるが、悟空がさらに伸びたため、主要キャラクターの中では餃子(チャオズ)に次いで小柄である(餃子と初顔合わせの頃には、彼のことを「あのチビ」と呼んでいた)。孫悟飯が子供の頃はクリリンの方が背が高かったが、人造人間編で悟飯の身長が伸びて同じくらいになり、魔人ブウ編では悟飯がさらに成長したため追い抜かれていた。一部のゲームでは孫親子が揃って自分よりも背が高くなった事を気にしている発言がある。
悟空の息子である悟飯やその親友であるデンデが子供の頃は、よくフォローに回って面倒をみていたり、逆に助けられた場面も何度かある。悟飯やデンデに慕われている一方で、自身も2人をかわいがっている。悟飯とは父親の悟空や師匠のピッコロ以外の仲間では一緒にいる場面が多く、18号に惚れていることにも唯一気付かれた。また、悟飯がピッコロの事を尊敬している事をいち早く気付いてナメック星へ行く宇宙船の中でその事を指摘したり、セルゲームで悟飯が自分を責めている時は彼のフォローをしていた。デンデが地球の神を引き継ぎにやってきた時は、アニメでは「お前、見所あったもんな」などと声をかけており、デンデが神の仕事を始める事を応援している素振りを見せていた。また、悟飯とデンデが一緒に勉強を始めた時等も楽しそうに会話に加わっていた。悟飯が青年になってからはビーデルとの仲を一番からかっており、アニメでは唯一悟飯の無自覚な恋心を指摘している。
悟空に次いで共に亀仙人の弟子として修業を重ねてきた、ヤムチャとも仲が良い。サイヤ人編でヤムチャが栽培マンの自爆により命を落とした時は、激しい怒りを見せて栽培マンをほぼ全滅させている。また、セルゲームの後、クリリンが1度はふられた18号に「またな」と声をかけられた時には、ヤムチャも喜んでクリリンを励ましていた。
ピッコロや天津飯などと比べると、パワー面はやや弱いが気のコントロールが優秀で、サイヤ人編では悟空から突然託された元気玉の形成にも、ぶっつけ本番で成功させている。戦闘経験も豊富で、その多彩な技でパワー不足を補っている。ナメック星においては、力はあっても未熟な悟飯をリードし、太陽拳でドドリアに一杯食わせる、ベジータを相手に引いた所を見せない、フリーザに奇襲をかけるなど、格上の相手でも頭脳プレイで挑み、怯まない勇敢さと立ち回りの巧さをみせている。なお、ピッコロは自分と戦ったクリリンの多彩な技やタフさに驚いており、「世界は簡単には俺のものにならないらしい」とまで思わせ、「貴様など戦力にもならん」と憎まれ口を叩きつつも内心では実力をある程度認めている。また、ベジータもナッパと戦うクリリンの動きを見て「中々のものだ」と評価している。
恋愛願望を作中で度々明かしている。第23回天下一武道会では、悟空がチチと結婚の約束をしていた事を知った際に「ずるい」「本当に修行していたのか」と嫉妬していた。アニメ版ではフリーザ編終了後にガールフレンド(マロン)を作り、互いに結婚を意識する仲にまで進展していたが、その直後に破局した。死ぬかもしれない時には「結婚したかった」と心の中で呟いたり、実際に発言するシーンが何度も登場する。
軌跡[]
- エイジ736 - 誕生。
- エイジ740(4歳) - 多林寺(おおりんじ)に弟子入り。
- エイジ749(13歳) - 8年間修行した多林寺を出奔、12歳の悟空とともに亀仙人に弟子入りする。当初、悟空のことは良く思っておらず、一方的に毛嫌いしていた(トランクス登場時に「オレも最初は悟空なんか嫌いだった」と言っていた)が、厳しい修行を共にする内に友情が芽生え、後に親友となる。
- エイジ750(14歳) - 修行開始から8ヵ月後、悟空とともに第21回天下一武道会に出場。予選1回戦でかつて属していた多林寺のナンバー1を難なく倒し本戦に進出する。1回戦で悪臭を放つバクテリアンに苦戦するが、自分には鼻がないことに気付き勝利する。2回戦でジャッキー・チュン(変装した亀仙人)と対戦し、師匠相手に善戦するが敗れる。
- 武道会終了後しばらくして、悟空とレッドリボン軍との戦いなどに、半ば巻き込まれる形ではあったものの、様々に助け活躍する。
- エイジ753(17歳) - 新弟子のヤムチャとともに亀仙人の下で3年の修行に励んだ後、第22回天下一武道会に出場。1回戦は鶴仙流の餃子と対戦し超能力に苦戦するが勝利する。準決勝では悟空と最初で最後の直接対決となるが、悟空との実力差はすでに開いており、敗退する[3]。当時、読者投稿のコーナーで、「天下一武道会で悟空対クリリンを実現させて欲しい」という意見が掲載されており、この対戦はそれに応える形となった[4]。
- 大会後、ドラゴンボールと武術会の名簿を奪いに来たピッコロ大魔王の手先タンバリンにより殺される。この死に激怒した悟空が苦闘の末にピッコロを倒した後、ドラゴンボールによって生き返る。
- エイジ756(20歳) - 新たな技も身に付け第23回天下一武道会に出場。予選を勝ち抜き本大会に進出、1回戦でマジュニア(ピッコロ)と戦い、善戦するも敗北。しかし、その健闘は多くの観客を感動させ、歓声に包まれながら退場する。亀仙人は弟子であった彼の成長振りに「素晴らしい武道家になった」と感慨深げであった。
- エイジ761(25歳) - サイヤ人ラディッツが地球に来襲。最初、酔っ払いだと勘違いするが、実力差に気付かず尻尾の一振りで一蹴される。1年後に新たなサイヤ人が襲来することを知り、神様の神殿と地上で修行に励み、この期間で飛躍的に実力を上げている。
- エイジ762(26歳) - ベジータとナッパ、二人のサイヤ人が来襲。サイヤ人の放った栽培マンの大半を一撃で掃討するも、ナッパとの戦闘ではピッコロ、悟飯と共に苦戦を強いられる。その後すんでのところで来援した悟空がナッパを倒す。
- 悟空がベジータとの一対一を希望したため、悟空の足を引っ張ると考えた彼は悟飯と共に戦場を一時去ることを決意。しかし悟空が苦境に陥ることを知ると離脱した戦場に戻り、悟飯、ヤジロベーと共に悟空を救うために果敢に戦った。最後まで生き残り、瀕死のベジータにとどめを刺す寸前にまでいたるが、孫悟空の要望を受け入れベジータを逃がす。
- その後、ベジータとの戦いで殺された仲間たちを生き返らせるべく悟飯とブルマとともにナメック星へ向かう。フリーザの一味やベジータと邂逅し、避けながらドラゴンボール集めを行う。
- ギニュー特戦隊の接近を察知し焦ったベジータと共闘関係を結び、グルドとリクーム、悟空の体を奪ったギニューと戦う。隙を見て7つのドラゴンボール全てを奪いポルンガ(ナメック星の神龍)を呼び出すことに成功。
- ピッコロを甦らせることに成功するが、ドラゴンボールにより不老不死となるという望みを断たれて激怒したフリーザとの戦いの終盤でフリーザに殺される。これにより激怒した悟空が、超サイヤ人に変身してフリーザを倒すことになり、後にポルンガの力により再び生き返る。この後、アニメオリジナルでは少女マロンとの相思相愛の恋愛エピソードがあったが結果的に振られている。
- エイジ767(31歳) - 人造人間が出現すると予言された現場へ挑む。しかしこの頃になると悟空以外の初期キャラクターは戦闘力のインフレから完全に置いて行かれており、戦力としての描写はない。また人造人間18号に惚れ、人造人間の停止装置を踏み潰したことで、結果的に人造人間セルが完全体になる遠因を作る。アニメではこれに責任を感じ、セルゲーム開始前にもセルと戦いに行こうとする描写がある。
- 悟飯がセルを消滅させてから4年後、人造人間18号と結婚し、娘のマーロンをもうける。この頃には武道家をやめることを決意し、それまで剃っていた髪も伸ばすようになる。
- エイジ774(38歳) - 18号にうながされる形で、賞金目当てのお遊び気分で天下一武道会に4度目の出場。1回戦をあっさり勝ち抜くが、その後の魔人ブウに関わる事件に巻き込まれる。すでに武道家として戦うことをやめているためブウとの戦いには直接関わっていないが、ダーブラにより石化させられ、復活した後ブウにチョコレートにされて食べられ死亡する。その後、ドラゴンボールにより復活する。また、アニメ版においてはトランクスがドラゴンレーダーを持ち帰るまで悟天と組み手をしたり、死んでいる間、界王の下で修行する姿、大界王星へ魔人ブウ(純粋)が瞬間移動してきた際にパイクーハンと共に立ち向かう姿が見られた。
- エイジ784(48歳) - 第28回天下一武道会を観戦。
劇場版への登場[]
劇場版に初登場したのは、第2作目『ドラゴンボール 魔神城のねむり姫』。原作同様、悟空にライバル意識を持つが窮地を救われたことにより和解する。
『ドラゴンボールZ』の劇場版における共通点としては、他の仲間に負けぬよう活躍しようとするが、強力な敵との戦闘、および不意の事故などであっさりやられてしまい「なんで俺だけ…」と情けなく言う場面が多い。
劇場版での活躍[]
Z劇場版1作目では悟空を助けるためガーリック城へと駆けつけるも、崩れてきた天井に頭を打って気絶してしまう。
Z劇場版2作目『この世で一番強いヤツ』では、悟飯と共に悟空の元へと駆けつける。悟空が元気玉を作る為の時間稼ぎをするが、クリリンのみDr.ウイローから返り討ちを喰らい、「なんで俺だけ…」が初登場。
Z劇場版3作目『地球まるごと超決戦』では、ターレス軍団の一人アモンドと闘うが敗れる。悟空が元気玉を作る時間稼ぎをするため、仲間達とともにターレスに挑み敗北する。
Z劇場版4作目『超サイヤ人だ孫悟空』では、冒頭で悟空と共にスラッグ軍団の宇宙船の軌道をそらそうと試みるも失敗する。その後、悟空と共に悟飯・ピッコロの元に駆けつけ、ようやく自分の出番とスラッグに戦いを挑むが、1発で吹っ飛ばされ「何で俺だけこうなるの~!」といいガレキに激突し、気を失う。
Z劇場版5作目『とびっきりの最強対最強』では、悟飯が命がけで持ってきてくれた仙豆を燃やされたことで激怒し、クウラ機甲戦隊の一人・サウザーと闘うも力の差により敗れる。
Z劇場版6作目『激突!!100億パワーの戦士たち』では、悟飯、ピッコロとともにビッグゲテスターのロボット兵と闘い、一度ダメージを受けつつも嘆きつづも装甲の非常に硬い相手を数体撃破する。戦闘中に捕獲されてしまうが、その後悟空の手により救出される。
Z劇場版7作目『極限バトル!!三大超サイヤ人』では、悟飯が決戦場へ向かってしまったためにチチに尻を蹴られる形で決戦場へ。その後人造人間の闘いを観戦する中、顔にエネルギー弾が飛んできたり、氷で滑ったり、飛んできたベジータに激突したりと、お笑い的な面がより増えていた。最後は合体13号のエネルギー弾により気絶するものの、悟空の元気玉生成の時間を稼ぐために奮戦した。
Z劇場版8作目『燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦』では、花見の席のカラオケで『翼をください』を熱唱していた。しかし非常に音痴で、ブルマやトランクス、ウーロンは呆れ果て、特にベジータは「クリリンの野郎、許さん」と激しく憤っていた(しかしブリーフ夫妻と亀仙人には好評であり、悟飯も普通に聞いていた)。悟飯、トランクスとともに新惑星ベジータに赴くが、戦力にならないだろうからとブロリーとの戦いには参加しなかった。
Z劇場版9作目『銀河ギリギリ!!ぶっちぎりの凄い奴』では天下一大武道大会にて対戦相手のピッコロが本人のやる気のない態度に対し試合放棄したため、運良く勝利。優勝できるかもとすっかり調子に乗るがしかし準決勝のバトルゾーンにてザンギャに簡単に敗れる。
Z劇場版10作目『危険なふたり!超戦士はねむれない』では、ピッコロの胴着を身に着けた姿でマグマに飲み込まれそうだった悟飯を助ける。悟飯は、始めは自分を助けてくれたのがピッコロだと勘違いしていた。その後はブロリーに敗れ(「いつも俺だけ…」と発言)、倒れて放置されている彼の呟きでラストを締めた。
Z劇場版11作目『超戦士撃破!!勝つのはオレだ』では、バイオブロリーに苦戦する18号の救援に駆けつける。その後、悟天とトランクスの兄貴分として、最後まで戦闘に参加し、二人とともにかめはめ波でバイオブロリーを破るなど珍しい活躍を見せていた(海から巨大なブロリーが出現して固まった際は、「脅かしやがって」と言っている間に悟天とトランクスの気功波が横切るなど、危ういシーンも見られた)。悟空や悟飯も含め全登場人物中、唯一3回全ての戦いでブロリーと相対したこととなった。
Z劇場版13作目『龍拳爆発!!悟空がやらねば誰がやる』では、タピオンを復活させる為にドラゴンボールを探す。かつて様々な悪の戦士たちと戦ったこととは別に、お化け屋敷が苦手であることが明かされる。ヒルデガーンとの戦いの際は不在。
ドラゴンボールGT[]
- エイジ790(54歳)- 『ドラゴンボールGT』ではベビーに洗脳され、ツフル星移住計画の順番待ちをしているシーンで初登場。しかし変装したブウが割り込みをしたため、地球に残留。その後、ツフル星に行けなかったことに立腹した18号とマーロンの買い物に従わされ、大量の荷物を持たされていることから家族では一番弱い立場であることが窺える。洗脳が解けた後は操られた17号に遭遇、ドクター・ゲロに敬語を使うようになった17号に対し「お前はドクター・ゲロを恨んでたじゃないか!!」と説得するが、説得を受け容れてもらえず殺され、その後生き返っている。元々原作だけでも死の経験数は最多だったが、これを含めると単独トップの計四度死を経験したこととなる。ウミガメからもその死の多さを突っ込まれることとなった。
年齢と引退後長期間経ったことによる、大幅な戦闘レベルの低下を思わせる発言もあったが、時々18号と組み手などをしていた事が最終回で明らかになった。何十年経っても全く変わらない亀仙人、子供になってしまった悟空と比べると、グレーの髪やヒゲなど年齢を感じる容姿となり、「自分だけ年を取って、すっかり変わってしまったみたいだ」と感慨深げに自らを語る。その後、悟空と最後の勝負をし、勝利する(勝たせてもらった)。
クリリンの技[]
- かめはめ波
- 両掌に気を集中させ、一気に放出させる気功波。亀仙人が開発。弟子の中では最後に披露した。第22回天下一武道会の餃子戦で初使用。以後ピッコロやナッパ、フリーザなど強敵に使うことも多かったが、命中することは殆どなかった。
- 気円斬(きえんざん)
- クリリンが独自に編み出した彼の代表的な技。威力は決して高くないが貫通力に優れ、気を円盤状のカッターに練り上げ、物体を寸断する。サイヤ人編では油断したナッパの頬をかすめる程度だったが、ナメック星編ではフリーザの尻尾を切断している。また、ベジータやフリーザ、18号、悟空も同様の技を使用した。
- 原作でフリーザを相手に連発しており、ゲームではこの連射型の気円斬に「気円烈斬」や「気円連斬」などと命名される。
- アニメではガーリックJr.の手下に投げ返されたり、完全体セルにいたっては直撃するも気円斬が砕けるという結果に終わっている。
- 太陽拳(たいようけん)
- 気を発光させて相手の目を眩ませる技で、元々は天津飯の技。クリリンいわく「それほどむずかしい技じゃない」。ナメック星で即席的に使用し、ドドリアからの逃亡に成功している。フリーザにも通用するなど、気円斬同様、相手の強さに関係なく効果がある。実用性が高く、何度も助けられている反面、天津飯、セルから二度もこの技の被害に遭っている。
- ダブル気砲(-きほう)[5]/ダブルかめはめ波[6]
- 自動で標的とした者を追尾する気功波。両腕を横に広げてから、前に突き出して発射する。第23回天下一武道会で、ピッコロに対して初使用。ピッコロの作戦によるナッパへの注意を引く場面やまたドクター・ゲロの研究所を破壊する場面においても使用している。
- 拡散弾(かくさんだん)[7]/拡散エネルギー波[8]/拡散気功波[9]/拡散かめはめ波[10]/流星気功弾[11]
- 両腕を横から前に突き出して発射した一つの強力な気功波と見せかけ、その後複数に分裂させることで多くの敵を倒す技。サイヤ人編で使用し栽培マン達を一掃した。
- RPGゲームでは敵キャラ全員を攻撃する強力な技として扱われる。
- 舞空術(ぶくうじゅつ)
- 全身の気をコントロールしながら放出することによって、空中を飛行する技。もとは鶴仙流独自の技だが、殆どの戦士がこれを体得した。初めて使用したのは第23回天下一武道会の1回戦でのマジュニア(ピッコロ)戦。亀仙流の戦士の中ではクリリンが最も早く舞空術を披露している。
クリリンの戦闘力[]
作中や書籍などで明確にされているクリリンの戦闘力。
- サイヤ人襲来前:206[12]
- ブルマの計測したスカウターの数値より。この時点で師である亀仙人を越えている。
- サイヤ人戦:981or1083[13][14]~1770[15]
- 仲間と共に神様の下で修行し戦闘力が上昇。ナッパのスカウターが計測。
- ナメック星到着直後:1500程度[16]
- ザーボンの計測したスカウターの数値より。
- ギニュー特戦隊戦:10000以上
- ナメック星の最長老により眠っている潜在能力を開放してもらい大幅にパワーアップ。『ドラゴンボール大全集』[15]では13000とされている。グルドを圧倒し、23000のギニューに悟飯と二人がかりで優位に戦う。この時の悟空はクリリンに「今のおめえらなら絶対に負けはしねえ」と評している。
- フリーザ戦:75000
- 旧『Vジャンプ』第1号(平成2年12月12日号)誌による、フリーザとの決戦時の数値。ベジータも「こいつら(悟飯とクリリン)の戦闘力はどんどんと上がっている」と称している。
- フリーザ戦までは何とか奇策を講じたりなどして活躍をみせる。だが人造人間編では、人造人間戦に向けて3年間修行してはいたもののピッコロ、天津飯がベジータ、トランクスの救出のため人造人間達に挑む中、竦んで挑みそびれるなど戦闘での活躍は減った(だが人造人間18号への恋心での葛藤などで物語上では活躍をみせた)。作中内のインフレの激しさから、魔人ブウ編でも悟空から実力的に参戦しない方がいいと促されるなど、作中後半は実力を発揮するシーンは少ないが、魔人ブウ編序盤で、天下一武道会に出場するクリリンを案ずるマーロンに対し、ヤムチャがクリリンのことを「世界で一番強い」(「ただし地球人の中じゃね…」と続く)と言って励ますシーンがある
設定[]
- 名前の由来は特になく、キャラのイメージから雰囲気だけでつけられたもの。当初はレギュラー化させるつもりはなく、一発キャラのつもりで登場させたのでいいかげんに名前をつけたと鳥山は語っている[17]。
- 鼻がない。が、鼻くそを飛ばしたり、顔を近づけて物の匂いを嗅ごうとする描写がある。これについて鳥山は「上手くごまかせないので無視する気だったが」と、謝罪していた[18]。鼻がない理由は、特異体質で皮膚呼吸ができるからだと答えている[19]。
- 坊主頭の時代に額にあった6つの点はお灸の跡であり、中国の僧侶などがつけているもの。クリリンの顔は単純でさびしいのでお灸の跡をつけたとのこと[20]。
- 物語後半は今まで剃っていた髪を伸ばす。作中では「闘わなくなったから坊主頭をやめた」と説明されるが、作者の鳥山は「宗教上の理由で剃っていただけ」と、担当声優の田中は「18号にダサいといわれたから髪を伸ばした」と語っている[21]。
- 基本は眼の白い部分が描かれていないが、一部のカラーイラストやゲームで色が塗られていることもある。
- 作中、人造人間18号と結婚にいたるが、作者曰く「地球人最強なのに結構酷い目にあっているから『たまにはいい思いをさせてやらないとな』」とのこと[22]。田中真弓は「クリリンが恋愛をするのは想像できなかったので、18号を好きになるクリリンを演じる時に戸惑った」という[21]。18号と交際・結婚に至る経緯は触れられていないが、これに関して鳥山は「恋愛描写が苦手なため省いた」と発言している[23]。これに限らず、鳥山作品の恋愛関係は比較的あっさりとした描写をされる。
- 作者の鳥山は、友達になりたいキャラとして、悟飯・デンデ・ブルマ・亀仙人と共に、クリリンの名を挙げている[24]。また、好きな戦士として、悟空・ベジータ・ピッコロ・サタンと共に、クリリンの名を挙げている[25]。
- 鳥山曰く、天下一武道会を始める前はあんまり作品の人気がなかった。「悟空以外のキャラをひっこめて、亀仙人を再登場させて、クリリンという新キャラをたてた。そうしたら、いきなり人気が出てきた」と語っている[26]。
- クリリン役の声優に田中真弓が選ばれた理由は、鳥山が『銀河鉄道の夜』での田中の演技を観ての指名だった[27]。後に田中は原作にて「クリリンと声が似ている」という理由からヤジロベー役も担当している[21]。
- 他のキャラクターからの呼称は、殆どが呼び捨ての中、原作ではブルマからは「くん」付けで呼ばれ、アニメでも同様だったが、『Z』からは親しい間柄になったためブルマからも呼び捨てにされていることもあった。チチからは「クリリンさん」と呼ばれたこともあるが、アニメでは呼び捨てにされることも多い。
- 桃屋と『ドラゴンボール改』のコラボレーションCMでは、他のキャラクターと一緒に顔が三木のり平に変わるシーンがある。
- クリリンは子供っぽく見えるために目薬のCMでは悟空とチチ、牛魔王が保護者側として登場しているのと対照的に悟飯、ウーロンと一緒に泳いでいた。
- 中国語版では『克林』と記す。
テーマソング[]
- アサ・ヒル・ヨル・キミ・ボク
- 歌:田中真弓(クリリン)/作詞:佐藤大/作曲:田中公平/編曲:岩崎文紀
- 一度は結婚したいマンボ
- 歌:田中真弓(クリリン)/作詞:佐藤大/作曲・編曲:藤原いくろう
- クリリンの結婚願望を歌った曲。
ゲームでの登場[]
ファミコンソフト『ドラゴンボール 神龍の謎』の11面では、クリリンがクリーチャー化したような外見の「クリリアン」なるモンスターが登場。攻略本に鳥山明の描き下ろしイラストが掲載されており、クリリンが初登場時に着ていた多林寺の道着と同様の物を着ているが、クリリンとの関連性は不明。なお、『神龍の謎』にはクリリン本人も登場している。
『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』『ドラゴンボールZII 激神フリーザ!!』『ドラゴンボールZIII 烈戦人造人間』『ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説』ではプレイヤーキャラの一人として登場。戦闘力は並だが、原作で栽培マンに使用した拡散弾が敵全員攻撃に可能だったり、最強技の気円斬は大猿に変身したサイヤ人の尻尾を切断できるなどの利点を持っている。
格闘ゲームでの初登場はメガドライブ専用ソフト『ドラゴンボールZ 武勇烈伝』。プレイステーション専用ソフト『ドラゴンボールZ Ultimate Battle 22』ではクリリンが本作のBUILD UPモードにてゲーム内のクリリンを強化し、視聴者のほうを向いてほくそ笑みながらゲームをしているCMが放送された。また彼の必殺技・気円斬は気でかき消す以外ガード不能という特殊効果を得ている。
プレイステーション2専用ソフト『ドラゴンボールZ』シリーズではIFストーリーなどで後に妻となる18号のために奮闘する姿が描かれている。
『ドラゴンボールZ 舞空闘劇』では彼が主人公のIFストーリーがあり、悟空の代わりにセルや魔人ブウから世界を救う。
『CROSS EPOCH』でのクリリン[]
『CROSS EPOCH』ではクリチョッパ海上列車コースターの運営者として『ONE PIECE』のトニートニー・チョッパーと共に登場。帽子を被っている。途中列車強盗に襲われるも、それが知人のピッコロとロロノア・ゾロであったために一緒に目的地まで運んでいる。 テンプレート:ネタバレ終了
脚注[]
- ↑ ジャンプ・コミック出版編集部編「第1章 キャラクターコレクション Heroes collection 8 クリリン」『DRAGON BALL 超エキサイティングガイド キャラクター編』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2009年3月4日、ISBN 978-4-08-874804-7、20-21頁。
- ↑ 他に3回の死を経験した主要人物には餃子(チャオズ)がいる。
- ↑ この時点では彼自身も、亀仙人から「超人レベル」と評されるほどだったが、それでもかなわなかった。また天津飯は、決勝でクリリンと当たる場合を想定した際に「楽勝だな」と予想した
- ↑ 鳥山明「とりやまさんのDRAGON BALLなんでもかんでもコーナー」『DRAGON BALL 第4巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1986年10月15日、ISBN 4-08-851834-9、190-191頁。
- ↑ 渡辺彰則編 「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その6 第23回天下一武道会編」『ドラゴンボール大全集 2巻』集英社、1995年8月9日、ISBN 4-08-782752-6、208頁。
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボール3 悟空伝』
- ↑ 渡辺彰則編 「SPECIAL ATTACKS エスカレートする必殺技 その7 サイヤ人編」『ドラゴンボール大全集 2巻』210頁。
- ↑ ファミリーコンピュータソフト『ドラゴンボールZ 強襲!サイヤ人』
- ↑ アーケード・プレイステーション2専用ソフト『超ドラゴンボールZ』
- ↑ プレイステーション・ポータブル専用ソフト『ドラゴンボールZ 真武道会』
- ↑ ニンテンドーDS専用ソフト『ドラゴンボールZ 舞空烈戦』
- ↑ 鳥山明「それぞれの1年間」『DRAGON BALL 第18巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1989年7月10日、ISBN 4-08-851615-X、67頁。
- ↑ 鳥山明「ベジータのゲーム」『DRAGON BALL 第18巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1989年7月10日、ISBN 4-08-851615-X、137頁。
- ↑ アニメでは1083。『カードダス奥義大全書』で解説された作中の戦闘力は981。
- ↑ 15.0 15.1 渡辺彰則編「孫悟空戦闘力成長の軌跡」『ドラゴンボール大全集 7巻』集英社、1996年2月25日、ISBN 4-08-782757-7、83頁。
- ↑ 鳥山明「謎のストレンジャー」『DRAGON BALL 第21巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1990年4月10日、ISBN 4-08-851618-4、119頁。
- ↑ ジャンプ・コミック出版編集部編「capsule column 5 キャラ名の由来を知りたい!」『ドラゴンボール完全版公式ガイド Dragonball FOREVER STORY 人造人間編~魔人ブウ編 All BOUTS & CHARACTERS』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2004年5月5日、ISBN 4-08-873702-4、158頁。
- ↑ 鳥山明「とりやまさんのDRAGON BALLなんでもかんでもコーナー」『DRAGON BALL 第9巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1987年9月15日、ISBN 4-08-851839-X、190-191頁。
- ↑ 「鳥山先生に完全密着取材Q&A!!なるほど!?ザ・ドラゴンボール」 週刊少年ジャンプ特別編集『DRAGON BALL 冒険SPECIAL』 138頁。
- ↑ 鳥山明「とりやまさんのDRAGON BALLなんでもかんでもコーナー」『DRAGON BALL 第6巻』集英社〈ジャンプコミックス〉、1987年3月15日、ISBN 4-08-851836-5、190-191頁。
- ↑ 21.0 21.1 21.2 ジャンプ・コミック出版編集部編「天下一声優陣 其之一 クリリン/ヤジロベー役 田中真弓」「テレビアニメ完全カイド『DRAGON BALL』~天下一伝説~」集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2004年7月2日、ISBN 4-08-873705-9、110-112頁。
- ↑ ジャンプ・コミック出版編集部編「天下一座談会 鳥山明×小山高生×野沢雅子」『テレビアニメ完全カイド「DRAGONBALL」~天下一伝説~』集英社、79-91頁。
- ↑ 渡辺彰則編 「DBキャラ秘密の話」『ドラゴンボール大全集 7巻』122頁。「恋愛劇は頭の中にあるが、恥ずかしいという理由で描かなかった」と発言している。
- ↑ ジャンプ・コミック出版編集部編「マンガ「DRAGON BALL」の真実 トリヤマはこう考えていたよスペシャル」『DRAGON BALL 超エキサイティングガイド ストーリー編』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2009年3月9日、ISBN 978-4-08-874803-0、93頁。
- ↑ テレビアニメ究極ガイド『DRAGON BALL 極限バトルコレクション ラウンド02 セル編~魔人ブウ編』、集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2010年8月。
- ↑ 渡辺彰則編「鳥山明的超会見」『ドラゴンボール大全集 2巻』263頁。
- ↑ 渡辺彰則編 「鳥山明的超会見」『ドラゴンボール大全集 3巻』集英社、1995年9月9日、ISBN 4-08-782753-8、204頁。
|
このページには、クリエイティブ・コモンズでライセンスされたウィキペディアの記事が使用され、それをもとに編集がなされています。使用された記事は[[Wikipedia:ja:クリリン | クリリン
]]にあり、その著作権者のリストはページの履歴に記録されています。 |